北上を、ハーブの街へ。 (新たな出会いに、はじまりの予感!?~第2章~)

 5月18日(土)午前10時、子ども連れの方2人を含む18人の女性たちが北上市の夏油高原エリアの玄関口にある「古民家カフェ小昼~kobiru~」に集いました。 

  みなさんのお目当ては、「ハーブのある暮らし(今日からはじめるハーブ生活~心も身体も健康に~)」と題したイベント。

今回のイベントは、「古民家カフェ小昼~kobiru~」の隣にある「小昼ファーム」の一角を借りて、
畑のつくり方・ハーブの植え方をレクチャーすることからスタート。
応援にかけつけた北上市農林部農業振興課のスタッフの姿も。

 こちらを主催したのは、兼業農家の新たな魅力創出と収益向上を目指して昨年北上市が実施した「第1回 北上市兼業農家チャレンジ支援事業」に選ばれた兼業農家の菊池貴美子さんです。 

ハーブの魅力を語る貴美子さん。予想を上回る参加者の数に最初は緊張気味でしたが、
参加したみなさんのあたたかな雰囲気に緊張もほどけた様子。しっかり語っていらっしゃいました。

 貴美子さんが目指すのは、アップルミントなど多年草のハーブを兼業農家の仲間と栽培・収穫。それを使ってノンカフェインのハーブティーを製造・販売し、兼業農家の収益向上につなげ、さらに仲間も増やしながら地域の新たな魅力づくりにも貢献すること。

 その取り組みのひとつとして開催したのが今回のイベントであり、その目的は以下の2つです。

 まず1つは、ハーブの魅力をひろめること。

 北上市民にひろくハーブの魅力を知ってもらうことで、料理やお茶はもちろん、消臭剤や芳香剤としても活用できるハーブのある暮らしを気軽に楽しんでもらえるようにしたいという想いから。

 そして、2つめがハーブづくりの仲間を増やすこと。

 当初の貴美子さんのアイディアは“兼業農家”に限定していました。しかし、それにこだわらず、鉢植え・コンテナ1つからでもご家庭で気軽にハーブづくりをはじめてもらい、みなさんが収穫したハーブを貴美子さんが買い取る仕組みをいずれは構築。

 兼業農家はもちろん農家以外の方も、畑でも鉢でもコンテナでも、北上市民がみんなで育てたハーブを使ってつくるノンカフェインのハーブティーを商品化し、北上市の名産品に育てたいという想いから。

 その夢に向かって貴美子さんは昨年「北上市兼業農家チャレンジ支援事業」に選ばれてから、日本園芸協会のハーブコーディネーターの資格も取得。

 ハーブの栽培方法はもちろん、ハーブティーの淹れ方、ハーブ料理やポプリ(ハーブなどを瓶やポットで熟成させて香りを楽しむもの)・サシェ(香り袋)のつくり方、美容やリラクゼーションに役立つ活用法などなど、ハーブの楽しみ方を総合的に学んだことで、多くのヒトにハーブの魅力を知ってもらう今回のイベントの開催にもつながりました。

ご家庭で気軽にはじめられるように、コンテナへの植え方もレクチャー。

 さらに、今回のイベント会場となった「古民家カフェ小昼~kobiru~」とのご縁も、貴美子さんの夢を支える力強いパートナーに。

イベントの開催に併せて、「古民家カフェ 小昼~kobiru~」のオーナー・中村吉秋さんもご挨拶。
昨年9月の出会いが、今回のイベントへとつながりました。

 実は昨年の9月、北上市で新しいことをはじめようとするヒトたちが、「ハーブ」と「庭」という共通のキーワードでつながり、「何かコラボできないか」とざっくばらんに語り合う機会がありました。

(詳細はこちらの記事「新たな出会いに、はじまりの予感!?」で!)

 そのヒトたちを結んだ北上市農林部農業振興課の方も交えて行った座談会に参加したのが、貴美子さんと「古民家カフェ小昼~kobiru~」のオーナーご夫婦。

 その出会いがきっかけで、「小昼~kobiru~」では貴美子さんがつくる「りんごジュース」をお店のメニューに加え、さらに同店を訪れるお客さまに貴美子さんがつくるりんごの皮を利用したドライフルーツもサービスで提供。そのうえでお客さまの反応を貴美子さんに伝え、商品づくりに生かせるようにするなど、交流はずっと続いていました。

カフェの中では、ハーブの効果効能に加え、簡単にできるポプリのつくり方も紹介。

 ですから、もちろん今回のイベントも貴美子さんと「小昼~kobiru~」がずっとあたためてきた企画をブラッシュアップしてカタチにしたもの。当初は、同店の敷地内にある畑「小昼ファーム」の一角を貴美子さんが借りて、そこにハーブを植え、兼業農家の仲間が気軽に訪れてハーブを収穫できるようにしたいと考えていました。

 しかし、「より多くの方に参加してもらえるように」と考え方もひろがり、さらに貴美子さんがハーブコーディネーターの資格も取得したことで、一般の方にもひろくハーブの魅力を伝える今回のイベントの開催が決定。

  兼業農家で有るなしにかかわらず、イベントに参加した方が実際にハーブを植え、そのハーブが成長したら気軽に「小昼ファーム」に訪れハーブを収穫し、料理やお茶、ポプリやサシェを自分でつくってみるなど、「ハーブのある暮らし」を気軽に楽しんでもらうためのイベントへと進化しました。

この日は、芳香剤として役立つ「モイストポプリ」のつくり方をレクチャー。
びっくりするほど簡単にできると知って、 参加したみなさんも興味津々!

 また、これがきっかけで「小昼~kobiru~」のファンを増やすお手伝いができれば、という貴美子さんの想いも……。

 実際のイベントでは、カフェの隣にある「小昼ファーム」でみんなでハーブの植え付けを行い、そのあとはカフェに戻り、ハーブの効果効能やポプリのつくり方などを貴美子さんがレクチャー。

 といっても、肩肘張った講座のようなものではなく、「小昼~kobiru~」自慢のブルーベリーマフィンと貴美子さん特製の「りんごジュース」を味わいながら、気取らず楽しくハーブの魅力を体感しようというもの。

「小昼~kobiru~」自慢のブルーベリーマフィンと、貴美子さん特製の「りんごジュース」も付いて、参加費は500円。
どちらもおいしいと好評でした。

 そういう気楽さも手伝ってか、この日のイベントは大成功。イベント終了後に、7月に開催される第2回の募集受付をしたところ、18人中13人が参加することに……。

 兼業農家の新たな魅力創出と収益向上を目指して昨年北上市が実施した「第1回 北上市兼業農家チャレンジ支援事業」。

 それに選ばれて動き出した菊池貴美子さんの夢は、“兼業農家”という枠にこだわらず、ハーブを愛する北上市民を幅広く巻き込んで、北上市民が「みんなで育てたハーブを使ってつくるハーブティー」を商品化するという夢へと大きく成長していました。

 その夢が、さらに大きく育ちますように。

 この日植えたハーブは、およそ2週間後の6月初旬から摘めるようになるとのこと。この日植えたハーブが、そして貴美子さんの夢が、どう育っていくのか……。これからが楽しみです。

◆「ハーブのある暮らし」今後の予定
第2回:7月27日(土)午前11時~正午
   ハーブティーの楽しみ方~癒しの効能効果のお話会~
第3回:10月26日(土)午前10時~正午
   ハーブの冬越しの話・ポプリづくり~ハーブの料理レシピ提案と反省会~
会場:夏油古民家カフェ小昼~kobiru~
主催:菊池貴美子
お問い合わせ:北上市農林部農林振興課 Tel/0197-72-8238

◇2019年度「第2回 北上市兼業農家チャレンジ支援事業」のアイディア募集中! 締切は2019年5月31日(金)まで。詳細はこちら!

◇「古民家カフェ 小昼~kobiru~」については、仕事人図鑑の第9弾でご紹介しています。興味のある方はこちら!

(了)

夏油古民家Cafe 小昼~kobiru~
岩手県北上市和賀町岩崎3-71
Tel/080-5555-9826
営業時間/11:00~18:00
定休日/火・水曜日

2019-05-19|
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