外国人観光客が日本文化に触れられる企画といえば、旅行会社がツアー企画の一部に取り入れて日本文化に触れられる施設を訪れたり、行政主導でイベントが企画されたり、あるいは宿泊施設が企画の一部として独自で行うのが一般的です。
しかし北上市岩崎地区で行われた今回のイベントは、地元事業者さんと地域住民が一体となって、地域全体で外国人観光客を迎え、自分たちなりの心のこもったおもてなしで地元・夏油高原の旅を楽しんでもらおうと企画した点がユニークでした。
イベントが行われたのは、2019年1月5日(土)。会場となった「古民家カフェ小昼~kobiru~」の前にはたくさんのヒトの姿が……。
「よいしょ!」という掛け声とともにそこではじまったのは、夏油高原に訪れたインド人2家族を招いての「新春餅つき大会」。地元の方のアドバイスを受けながら、地元のチビッ子たちと一緒にきねを持ち、餅をつく7人のインド人ご家族の楽しそうな姿がそこにありました。
このイベントを企画したのが、地元・岩崎地区で農業を営む佐藤孝志さん。今は、真夏に種を撒き、秋から冬にかけてじっくり成長し、雪の下でさらに糖度が増す「春待ちキャベツ」の時期ですが、この日は地元の有志とともにイベントの準備と運営に大わらわ。
今回の「新春餅つき大会」は、夏油高原に訪れたインド人ご家族に日本の伝統文化を満喫してもらうため、餅つき体験のあとには、つきたてのお餅でつくるあずき餅・くるみ餅・しょうが餅に加え、お正月の定番・お雑煮も振舞いました。しかも、お餅食べ放題!と太っ腹。
さらに、折り紙、コマ回し、おはじき、お手玉、かるた、福笑いなどなど、懐かしの日本のお正月遊びを楽しめるコーナーも設置。専属のスタッフも配置し準備万端でしたが、いざ蓋を開けてみると予想を上回る60名を超える参加者が詰め掛け、会場は大賑わい。
佐藤さんは裏方としてこのイベントが滞りなく進むように全方位に気を配り、自ら率先して動き回っていました。
この企画が動き出したのが、わずか2週間ほど前。岩崎地区で2018年6月にオープンしたゲストハウス「虹波~NIJINAMI~」の地主恵梨香さんが、インド人の2家族を1月3日から3泊4日の旅程で迎えるにあたって、「お正月ならではの日本文化に触れられることが何かできないか」と佐藤さんに相談したのがきっかけでした。
佐藤さんはさっそく「古民家カフェ小昼~kobiru~」のオーナーご夫婦をはじめ地域の仲間を集め、今回のイベントを企画。会場はもちろん、夏油高原エリアの玄関口にあり地域内外のヒトが集まる交流の場を目指して2018年11月にオープンした「小昼~kobiru~」が最適と準備を進め、この日を迎えました。
当日は店内に入りきれないぐらい多くの参加者が詰めかけましたが、おもてなしする外国人観光客はもちろん、イベントに参加する地元住民も、イベントを企画した自分たちも異文化交流を楽しみ、思い出に残る1日にしようとみなさんが明るく楽しく前のめりで取り組んでいる点が印象的。その姿が微笑ましく、その想いがインド人ご家族にも伝わっているようで、たくさん見せてくれた笑顔や真剣な表情がその何よりの証拠だと思います。
いちばん人気は、福笑い!
コマ回し、折り紙、おはじき、お手玉などなど、いろんな遊びが用意されていたなか、いちばん人気を集めたのが福笑い。みんなで大笑いしながら、順番に福笑いにチャレンジしていました。
今回のイベントは「異文化交流」も重要なテーマ!
ゲストハウス「虹波~NIJINAMI~」の恵梨香さんが、地元の方とインド人ご家族との交流の手助けになればと、会話の糸口になる日本語の文章と英語を併記したシートも用意。これがきっかけでの交流も生まれていました。
★以下、今回のイベントを盛りあげた地元のみなさん(一部)です!
以上、地元事業者さんと地域住民のみなさんが一体となって外国人観光客をもてなし、地域全体を盛りあげていこうとする新たな試みのリポートでした。
岩崎地区の挑戦は、これからも続きます。今後も目が離せませんね。
◇「古民家カフェ小昼~kobiru~」については、仕事人図鑑の第9弾でご紹介しています。興味のある方はこちら!
◇ゲストハウス「虹波~NIJINAMI~」の詳細はこちら!
(了)
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