孤高のグルメ〜きたかみ牛編~【第3話】岩手県北上市大通り「レストランくさの」のハンバーグ

 ハンバーグとの最初の記憶は、幼い頃までさかのぼる。

 今の時代なら珍しくもないが、遥か昭和の昔に子ども時代を過ごした俺にとって、レストランで食べるハンバーグはご馳走! その記憶は、ワクワクドキドキの感情と直結している。

 熱々のハンバーグを、ハフハフしながら食べる時間の、なんと贅沢だったことか。「慌てないでゆっくり食べなさい」という母の声が今も耳に残っている。

 だからだろうか。おじさんになった今でも、ハンバーグを食べるときはちょっとワクワクする。

 それは、この日も変わらない。

 いつも通り、すっかり腹ペコちゃんだった俺は、本来ならどの店に入ろうか、あちこち歩き回るところだが、この日はもう行く店を決めていた。

 前々回、青柳町のイタリアンで「ことこと煮込んだビーフシチュー」に舌鼓を打った際に、ただいま絶賛開催中の「きたかみ牛フェア」スタンプラリーのチラシに書かれた「きたかみ牛ハンバーグ」という文字を見て、遥か幼い頃のワクワクする記憶がよみがえったからだ。

 肉質・味ともに国内最高水準を誇る「きたかみ牛」を贅沢に使ったハンバーグ……。知り合いのグルメなセンター長に尋ねると、「ここは有名ですよ。ボクも食べました。おいしいですよ」と太鼓判!

 なら、「絶対ここに行かなくては」と固く誓った俺は、この日、満を持して、すっかり腹もすかせて目的の店へ向かったのだった。

 「レストランくさの」は、北上市の大通りに面したホテルの一角にあった。人気グルメ漫画『孤独のグルメ』の五郎さん風に言えば、まさに「慌てるな。心と胃袋がつんのめっているぞ」状態で、前のめりで店内に入った俺は、歴史を感じさせる洋食屋さんのような落ち着いた雰囲気に「これは旨い」と確信し、にんまり。

 さらに、窓辺に置かれた「いわて きたかみ牛」の小さなのぼりに、ほっこり。

 さっそくメニューを見れば、同店は「きたかみ牛ハンバーグ」とともにステーキも評判だそうで、「ステーキもいいな」と一瞬気持ちが、ぐらり。

 「いや、待て、今日はハンバーグだろ」と自分を立て直した俺は、五郎さんの流儀にならって店員さんに「できるだけ物おじせずハッキリ」言った(注文を聞きかえされるのはやっかいだ)。

「きたかみ牛のハンバーグ 250gでお願いします」

 すると……

  ほどよくついた焦げ目と香ばしく焼かれた肉の香りが食欲をそそるハンバーグが目の前に置かれる音が、ことり。

 「おお、これが、あのセンター長が絶賛するハンバーグか」と、うっとり。

 期待に胸ふくらませて肉厚のハンバーグを眺めれば、その表面が、キラリ!

 その輝きが神々しくて思わず天を仰げば、照明が、ギラリ!

 あまりにもまぶしくて視線を戻せば、肉厚でボリューム満点のハンバーグにまた、にっこり。

 今日はやたら韻を踏んでいる俺は、それだけ心も踊っているのだ! とハッキリ言えて、すっきり。

 付け合わせの野菜も豊かな、いろどり!

 この韻は、ちょっと強引か……。と反省して、ペコリ。

 世の中には、小さな器に入ったソースをハンバーグに「かける派」と、ハンバーグにはかけずソースが入った器に「ディップする派」がいるそうだが、俺は断然「かける派」。

 同店ではハンバーグソースも5種類から選べるのだが、この日の俺はオニオンソースをオーダー。さっそくハンバーグの上にかけると、鉄板の上に流れたソースが焼ける音と香ばしい香りが、さらに食欲をそそって、うっとり!

 続いて肉厚のハンバーグにナイフを入れると、ボリューム満点のごつい見た目とは一転、その感触は、ふんわり!

 するとあふれだす肉汁が、とろり!

 子どもの頃のようにハフハフしながらも、きたかみ牛のやわらかな歯ざわりと、肉の旨味あふれるジューシーなハンバーグを堪能する俺。

「慌てないでゆっくり食べなさい」

 遠くで母の声が聞こえた気がした。あふれだす、ストーリー。なぜか胸が、じんわり。涙も、ほろり。

 その涙より、韻が止まらない俺は大丈夫か? ドントウォーリー。

 気持ちを切り替えようと視線を外すと、隣の席では300gのステーキにナイフを入れるロマンスグレーの姿が……。

「やっぱりステーキも旨そう!」

 また気持ちが、ぐらり。

 そのご仁は、切り分けたステーキをソースの入った小さな器にディップ……。

 「ほお、こちらのご仁は“ディップ派”か……」と現実に引き戻された俺は、250gの「きたかみ牛ハンバーグ」をキレイに平らげた鉄板に視線を戻すと、多幸感で満たされ、また、にんまり。

 もちろん、最後の仕上げにスタンプを押してもらい思わず、にっこり。

 というわけで、幼い頃の記憶に想いをはせながら「きたかみ牛ハンバーグ」を堪能した俺は、大満足で店をあとにしたのだった。

 はい、おわり!

 「レストランくさの」さん、ごちそうさまでした<(_ _)>

★孤高のグルメ~きたかみ牛編~のバックナンバー

【第1話】はこちら! ⇒ 岩手県北上市青柳町のとろとろビーフシチュー

【第2話】はこちら! ⇒ 岩手県北上市北鬼柳の「まるぎゅう」3種カルビ焼肉 

【第4話】はこちら!  ⇒ 岩手県北上市村崎野「がんこ亭」の北上コロッケ

★豪華賞品が当たる! スタンプラリー「きたかみ牛フェア」の詳細はこちら! ⇒ きたかみ牛フェア

  

(了)

レストランくさの

岩手県北上市大通り2-8-6 くさのイン北上 隣

Tel/0197-65-1711

ランチ/ 平日11:30~14:00(ラストオーダー) 

     日曜・祝日 12:00~14:00(ラストオーダー)

ディナー/平日 17:30~21:00(ラストオーダー)

     日曜・祝日 17:30~21:00(ラストオーダー)

定休日/不定休

2021-03-18|
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