7/24「寺子屋まつり」開催! それを支えるヒトたちとは?
更木で400年の歴史を刻む「永昌寺」では、地域を見守る丘に花を植え、お寺を誰もが気軽に訪れる場所にしようと「花咲く丘プロジェクト」を展開。クラウドファンディングにも挑戦中です。
そんな「永昌寺」では、お葬式や法事で集まる場所というイメージが強いお寺を「もっと地域のみなさんが気軽に集まる場所に変えたい」と、すでに11年も前から有志が集まり地道に「寺子屋」というイベントを開催してきました。
座禅の体験会とピアノの発表会を夏に行ったのがはじまりで、現在では年1回から年4回の開催となり、春は散策、夏は坐禅と音楽フェスの「寺子屋まつり」、秋は芋掘りと焼き芋、冬はプチ修行を実施。参加者も最初は10人ほどでしたが、現在では100~150人が参加するまでになりました。
そんな「寺子屋」の原点であり、永昌寺の夏の風物詩でもある「寺子屋まつり」ですが、昨年と一昨年は新型コロナウイルスの影響で規模を縮小して開催。
しかし、今年もどうなることかと思っていましたが、5月末には岩手県独自の緊急事態宣言が解除され、北上市でも感染状況を見極めつつ、基本的な感染対策を徹底しながらさまざまなイベントが開催されることに。
というわけで、今年の「寺子屋まつり」は7月24日に開催決定! しかも、コロナ以前のように25組を超える出演者を迎え、にぎやかに開催することになりました。
その打ち合わせが6月16日(木)の夜に永昌寺であると知り、潜入! 参加メンバーに「寺子屋」の魅力などについてうかがってみました。
……「寺子屋」の取り組みも今年で11年目。ずっと続けられる理由は?
洋行:子どもたちと同じように、自分たちも楽しんでいるところですね。山に散策をしに行くのも、個人的に趣味でやっているので、準備の段階からもう大人が楽しんでいる(笑) 実際にやっている大人が楽しんでいないと、参加する子どもたちも楽しくないと思うんですよ。そういうのは子どもたちも見ていると思うし……。そういう風に大人も楽しめたら背伸びしないで無理なくできるので、それが今まで続いている一番の理由だと思います。逆に楽しくなくてこの取り組みが負担になるようだと、なかなかやってくれる方もいなくなるでしょうし、どこかで途切れちゃうのかなと思います。ですから、これからもゆるく長く自分たちも楽しんでやっていければいいと思うんですよね。
海野住職:この会議も毎月やっているんですけど、強制ではなく「来られるヒトが集まる」というスタンスなんですよ。「寺子屋」は年4回の開催で、その他にプラスαで3回くらいさまざまなイベントを開催していますが、私がリーダーシップを取るのは冬の「プチ修行」くらいで、春の「散策」はこの間も100kmマラソンを走ったり、私といっしょにトレイルランのレースにも出て私より速く走る洋行さんが担当。夏の「ミュージックふぇすてぃばる」はピアノの先生をされている明美さんで、金魚すくいは川村さんが担当。秋の「焼き芋」は、サツマイモを植えるのはイトウさん、焼き芋を焼くのは川村さんという感じで、このメンバーのやりたいことを全部お任せしてやってもらっているので、それも10年以上続いている理由だと思います。
洋行:次も楽しみですね。
海野住職:そう。次もあります。ツリークライミングです。
洋行:ツリークライミングはマジ面白いですよ(笑) でも、次もそうですけど、どれだけヒトが集まるかは実際にフタを開けてみないとわからない。参加者が1人か2人のときもあれば、「ミュージックふぇすてぃばる(寺子屋まつり)」みたいにたくさん集まるときもある。「寺子屋」は春夏秋冬それぞれあるので、開催するたび毎回どれだけヒトが集まるか楽しみだし、集まるヒトが少なくても、それはそれで面白いんですよ(笑)
海野住職:実際、参加者が「1人」のときがあったからね。
……「スタッフの方が多い」みたいな?
海野住職:そうです(笑) でも、実際はゼロなんだよね(笑) だって来てくれたのが、スタッフの子どもだったんだから。それで焼き芋やったもんね(笑)
洋行:でも、それはそれで楽しめるんですよ。サツマイモの焼き方も年々上手になっていますよね(笑)
海野住職:川村さんがいろいろ研究してくれるから(笑)
川村:最初は全然焼けなかった。そもそも、火の起こし方がわからなかった(笑)
海野住職:そうですね(笑)
川村:もみ殻の山に煙突を立てる昔ながらのやり方なんですが、煙ばっかり出て全然焼けなくてね(笑)
海野住職:ボクらの世代は、大人がもみ殻で焼き芋を焼いているのは見たことがあるけど、自分たちでやったことがないんですよね。でも、できるだろうと思ってやってみたら、全然できない(笑) そこからのスタートでしたね。
……7月の「ミュージックふぇすてぃばる」は明美さんがリーダーになるんですよね。
明美:リーダーなんてとんでもない(笑) 担当しているだけです。
洋行:でも、これも旦那さんの趣味がなかったら、できないですからね。
海野住職:明美さんの旦那さんは水道屋さんなんですが、趣味が高じてプロがもっている音響機材を家一軒分持っていますから(笑) 大きなスピーカーとかアンプとか、何から何まで本当にすごいんですよ!
洋行:更木の祭りとか何から何まで支えていて大活躍ですよね。だいぶ更木に貢献していますよ(笑)
イトウ:シュージさん(明美さんの旦那さん)は、もともと音楽をやられていたんですか?
明美:好きだったみたい。キーボードとか……
海野住職:弾けるんですか?
洋行:結婚式の披露宴で、2人で弾いていましたよね。
明美:そうですね。その分、ケーキカットをやらないから「ケーキ代浮くね」って(笑)
海野住職:初めての共同作業がピアノの連弾だったんだ(笑)
……イトウさんが「寺子屋」の取り組みに参加しているのはどんな理由から?
イトウ:私が「寺子屋」にかかわるようになって4~5年くらいになりますが、子どもたちもずいぶん集まってくれるようになりました。でも、たぶんみなさん、「寺子屋」を大きなイベントにしようとも思っていなくて、ただ子どもたちがしぜんとお寺と親しむことができて、お寺とかかわっていろいろなことができるということが、もっと当たり前になればいいなと思って取り組まれているんですよね。そこがいいと思いますし、お寺ってお葬式だけする場所じゃないっていう海野住職の考え方もすごくいいなと思っていて、そういうところに私も協力できればと思ってかかわらせてもらっています。
洋行:子どもが集まるのは、義範さん(海野住職)の人柄もありますよね。うちの子どもなんて、義範さんのこと友達だと思っています(笑)
イトウ:昔のお寺って、こういう感じだったのかなという気がしますよね。お寺ってやっぱり地域の中心になっていて、ふつうにみなさんがかかわる場所だったんですよね。だから、そういう風になればいいなと思いますよね。
海野住職:こういう取り組みをしていると、お寺が「新しいこと」をしているという風に捉えられることも多いんですけど、「新しいこと」というよりも昔のお寺に、元に戻そうとしているだけなんですよね。お寺の境内でみんなで楽しもうという……。そもそも「寺子屋」のイベントには、ほぼお金がかかっていません。「ミュージックふぇすてぃばる」だって、「金魚すくい」のために金魚を買ったり、くじ引き用のくじを買ったり、ジュースやお菓子も購入しますが、それだってきちんと代金をもらうし、なんなら出演者さんからも出演料を500円ですがいただいていて、それが基盤となって毎年開催できているんですよ。
……出演者もいっしょになって、みんなでつくるイベントなんですね。
海野住職:そうです。まさに私が一番びっくりしたのがそれですね。だって、出演するためにわざわざ500円を払うわけですから。最初はこちらから出演料払うのかなと思っていたんですけど、世の中には「私たち発表する場が少ないので、発表できるなら500円くらい払います」という方たちがいて、いただくだけでは申し訳ないので、かき氷をあげたりはしますけど、そういうニーズとみんなで集まって楽しみたいという「寺子屋」の考え方がマッチして「ミュージックふぇすてぃばる」が10年以上も続いているという、それもすごいことだなと思っています。
今年11年目を迎えた「寺子屋」の取り組み。そこには、お寺を気軽に集える地域の場所にしようと取り組む大人たちがいて、でも子どもたち以上に春夏秋冬のイベントを楽しんでいる大人たちがいました。
7月24日(日)の「ミュージックふぇすてぃばる」にはそんな大人たちと同じように、好きな歌やダンスを楽しむ大人や子どもたちが続々参戦! どうぞ、お楽しみに!
◇永昌寺の「花咲く丘プロジェクト」。クラウドファンディングにも挑戦中!
詳細はこちら▶▶▶「花咲く丘プロジェクト」
(了)
座禅&ミュージックふぇすてぃばる ~寺子屋まつりvol.11~
開催日時/2022年7月24日(日)13:00~ 本堂内で座禅会+海野住職による講和
14:00~ 境内でミュージックふぇすてぃばる(雨天時は本堂)
会場/北上市更木 永昌寺
主催/寺子屋の会
※座禅会はどなたでも無料で参加できます。
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