新しいことをはじめるとき、でも何からはじめていいのかわからなくてちょっと不安なとき、ひとつの出会いが背中を押してくれることがあります。
9月1日(土)午後5時、温泉やスキー場のある夏油(げとう)高原エリアの玄関口に佇む古民家カフェに、新しいことをはじめようとする2人の女性と1組のご夫婦が集まりました。
のどかな田園風景のなかに佇む「夏油古民家Cafe 小昼~kobiru~」。
まずひとり目は、兼業農家の新たな魅力創出と収益向上を目指して実施された「北上市兼業農家チャレンジ支援事業」のひとつに選ばれた、兼業農家の菊池貴美子さん。菊池さんはアップルミントなど多年草のハーブを兼業農家の仲間と栽培し、ハーブティーとして販売することで仲間も増やしながら地域の新たな魅力をつくっていきたいと考えています。
ふたり目は、北上市で起業する方を応援する「北上市起業家チャレンジ支援事業」のひとつに選ばれ、今年5月に家の外構と庭の設計・施工を請け負う「ガーデンプランニング・エバーグリーン」を開業した千田弘子さん。千田さんは開業間もないため、「こんな外構や庭をプランニングできますよ」と自身をPRできるものをつくりたいと考えているときでした。
そして最後は、この日の会場となった「夏油古民家Cafe 小昼~kobiru~」のオーナー中村吉秋さんと邦子さんご夫婦。宮城県仙台市出身のおふたりは、北上市の「夏油高原エリア活性化プロジェクト」を推進する地域おこし協力隊として2年ほど前にこの地に移住。現在は、同カフェの本オープン(11月23日を予定)に向けて築80年の古民家をリノベーションしながら、週末のみ営業しています。周辺は田園風景が広がるのどかな場所で、いずれはハーブ園のあるカフェにしたいという夢をお持ちでした。
木目調のインテリアに心和む店内。「ヘリンボーン好き」を自称する中村吉秋さんが手づくりしたこだわりのカウンターはぜひスマホで撮ってみてください。えっ!?と驚くはず。
「ハーブの栽培とハーブティーの販売」「ハーブ園のあるカフェ」「庭のプランニング」でつながった4人は、この日が初顔合わせ。最初は少し緊張気味でしたが、4人を結びつけた北上市農林部農業振興課の方のリードで会話が進むと、緊張もゆるりとほどけ、それぞれがざっくばらんに思い描く夢を語り、またお互いがコラボするにはどうしたらいいかという具体的なアイディアも飛び出しました。
カフェの窓から見渡せる庭。大きな木の陰になるため、「ハーブ園ではなく“見せる庭”にするのが良いのでは?」との千田さんのアドバイスにみんな納得していました。
カフェの前の庭から道をはさんだところにある敷地。「ここは日当たりもよくハーブ園に最適!」と千田さんも太鼓判。右の三角屋根の建物はピザ窯です。
とはいえ、まだ出会ったばかり。これからどうなるかは、未知数です。
しかし、話題は「ハーブ」や「庭」だけにとどまらず、りんご農家の菊池さんが持参したこだわりのひと品、皮ごと厚めにスライスしたりんごのドライフルーツをみんなで試食し、「これはおいしい。紅茶に合う」と絶賛。
「商品化したいと思ったんですけど、売れるわけないと断られました。無料でいいので、ぜひカフェでお客さまに提供していただいて感想を聞いてもらえないかしら」という菊池さんのお願いに、中村さんご夫婦も快諾するなど、ここから何かが生まれる予感もしていました。
初顔合わせのシメは、「りんごの話は“乾燥”ではじまって、“感想”で終わる感じですね」という中村吉秋さんのひと言でスパッとお開きに。今後の展開が楽しみです!
◇「夏油古民家Cafe 小昼~kobiru~」については、仕事人図鑑の第9弾でご紹介しています。興味のある方はこちら!
(了)
岩手県北上市和賀町岩崎3-71
Tel/080-5555-9826
営業時間/11:00~18:00
定休日/火・水曜日
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