大手配合飼料工場のシステム開発で東日本有数の企業へ。その“挑戦”の遺伝子を次代へ。

株式会社 テクノメイツ

総務統括部 取締役部長 佐藤敬幸(さとう たかゆき)

事業推進企画部 係長 伊藤啓太(いとう けいた)

事業推進企画部  主任 髙橋良徳(たかはし よりのり)

事業推進企画部 主任 菅野祐太(かんの ゆうた)

システム設計部    佐藤 峻(さとう しゅん)

配合飼料工場のシステム開発で30年。その実績が語るもの。

 牛・豚・鶏など家畜のエサとなる「配合飼料」を製造する工場では、原料受け入れから粉砕・配合・製品出荷までの工程を一元管理&自動制御するシステムを活用。安全・安心で高品質な配合飼料づくりとともに作業の効率化も図り、高い生産性を実現しています。

 北上市和賀町岩崎にある「株式会社 テクノメイツ」(以下テクノメイツ)は、そうした配合飼料工場を支えるシステムの開発会社として1990(平成2)年に創業。お客さまごとに最適なシステムの構築と安定稼働を実現するため、すべての製品をフルオーダーメイドで提供するだけでなく、導入後の保守・メンテナンスなどアフターフォローまでもワンストップで柔軟・スピーディに対応しています。

 近年、大型化が進む配合飼料工場において、システムのトラブルは工場全体の動作停止にもつながるなど大きなリスクと隣り合わせですが、同社ではお客さまに合わせたこうしたきめ細かな対応により、工場の安定稼働を実現するとともに、長期的な信頼も獲得。

 そうした実績と経験を積み重ねて、現在では国内トップクラスの生産規模を誇る配合飼料工場の制御・管理システムも手掛けるなど、同分野では東日本でも有数の企業へと成長を遂げています。

▲同社が開発したソフトウェアを使った配合飼料工場の制御・管理システムのデモ画面。

 そんな同社では、創業30周年を経て昨年からさまざまな分野で経験を積んだ20~30代前半の若者たちが次々に入社。社員の数も8名から13名となり、若い才能とともにさらなる飛躍を見据えて挑戦を続けています。

 果たして、そこにはどんなヒトたちがいるのでしょうか。

▲「テクノメイツ」のシステム開発部門。現在、6名のシステムエンジニアが在籍。高い技術と豊富な経験をバックボーンに、少人数ならではの機動力を活かしてお客さまのご要望に柔軟・スピーディに対応する姿勢が高い信頼につながっています。
▲「テクノメイツ」のオフィスは、産直「ありがだあんちゃ」の斜め向かいに。道路に面して植えられた花が目印。

自分たちが開発したシステムが、大きな工場を動かす様子に感動!

 22歳の佐藤峻さんは、子どもの頃に体験した東日本大震災で被災地のチカラになれればとの想いから、「家を建てる仕事に就こう」と決意。高校卒業後は「岩手県立産業技術短期大学校」で建築を学び、念願叶って住宅メーカーに就職するも体調を崩して……。

 峻さんが「テクノメイツ」と出会ったのは、そんなときでした。

「実は父がこちらの会社に勤めていて、『周りはいいヒトばかりだから、CAD(コンピュータで設計ができるツール)が使えるならリハビリがてらアルバイトしてみたら』と言われたのがきっかけで昨年(2020年)の4月から働きはじめました。

 CADは建築を学んでいるときに使えるようになっていたので、手書きの図面をCADに起こす作業を黙々とやっていました。ただ、最初の頃はヒトと目を合わせることもできない状態でしたから、ヒトと話すことももちろんできなくて……」

 そんな峻さんにとって有難かったのが会社の雰囲気。

「こういう仕事があるということも知らなかったぐらいなので、最初は本当に何もわからなかったのですが、課長や部長まで気軽に声をかけてくださって、わからないことはその都度やさしく丁寧に教えてもらえます。ヒトに話しかけることができなかった僕には、その気遣いがすごくうれしかったです。それに、わからない僕にもいろいろな仕事を任せていただけるのも励みになりました」

 もともと好奇心旺盛で、興味を持つとどんどんのめり込んでいくという峻さん。いろいろな仕事に携わるうち、配合飼料工場の機械設備を制御・管理するシステムの開発という仕事の面白さにどんどん魅かれ、ついに今年の1月からは社員に。

▲「シーケンス制御」(機械設備が定められた順序通りに動作するように制御する)を担当する峻さん。自分から話しかけるのはまだ苦手だそうですが、現在ではわからないことはまず自分で調べて、それでもわからないときは自分から聞きにいくように心がけてがんばっているそう。

 そんな峻さんが、この仕事の面白さをさらに深めたのが「テクノメイツ」が手掛けたシステムを納品した工場を訪れたとき。

▲「テクノメイツ」がシステムを手掛ける「JA東日本くみあい飼料株式会社」様に出張時の写真。同社は、JA全農グループの配合飼料メーカーとして、関東甲信越・東海北陸の16都県をひろくカバー。日本農業の振興と安全・安心な食の提供を使命とし、信頼ある飼料の生産活動を通して、畜産農家さまの経営と豊かな食文化の向上に貢献している企業です。
▲「JA東日本くみあい飼料株式会社」様にて作業する峻さん。

「自分たちが開発したシステムが導入されて、大きな配合飼料工場が自分たちのプログラム通りに動き出したときは感動しました。自分なんてほんの一部を担当しただけですが、それでも一人ひとりに役割があって、みんなでひとつの目標に向かってがんばって、それがカタチになるとこんなにスケールの大きなことができるんだと思うと……。今の仕事に携われることが本当にうれしいです」

 そう語る峻さんは、同じ工場で自社の強みを改めて知ることに。

「現場で課長や部長が工場の担当の方と話しているのを見て、強い信頼関係というものを感じました。

 長年の経験やノウハウがあるということももちろんですが、それ以上にお客さまと一緒にシステムをつくりあげて、納品後もアフターフォローをして、そうやって時間をかけて築き上げていくからこそ、ああいう関係が生まれるのだと思います。お客さまとそういう関係を築けるように自分もがんばります」

 元気にそう語ってくれた22歳は、さわやかな笑顔が印象的でした。

▲プロ野球選手になるのが夢だった峻さんは、現在も地元の2つのチームに在籍し、週末は野球三昧。ひとつの目標に向かってみんなでがんばる今の仕事は、野球の面白さとも共通しており、そこにやりがいを感じているそう。

貪欲なチャレンジ精神に刺激を受けて、自分も……。

 「子どもの頃の夢は?」と尋ねると「ピーターパン」と答えるお茶目なこの方は、2020年9月に入社した髙橋良徳さん。「大人になりたくなかったんですよ」と言って、いたずらっ子のような笑みを浮かべる32歳は、「テクノメイツ」の愛されキャラでもあります。

 そんな良徳さんですが、もともとは機械を組み立てる技術者でした。機械を修理する仕事をしていたお父さんに憧れて地元・黒沢尻工業高校機械科に進学し、卒業後は機械組立工として地元の会社に就職。

 そこで経験を積み、中国に組み立て工場をつくる際には中国語も話せないのにひとりで大陸に渡り技術指導まで担当。その人柄で言葉も通じない中国人の方たちにも「よしのリーダー」と慕われるなど、当時から愛されキャラは健在でした。

 さらに、その後は北関東にある系列の工場で保全の仕事に8年携わるなど充実した日々を過ごしますが、地元に戻りたいという想いも。そんなとき良徳さんに連絡が……。

「敬幸さん(テクノメイツ取締役部長)から『新しいこと始めてみないか』と誘われたのがきっかけです。普通の会社は現在の仕事がうまくいっていれば、それを守ることだけに専念して新しい分野に乗り出すことはなかなかしないと思うんですよ。

 でもこの会社は新しい分野にもどんどんチャレンジしていこうという姿勢が見ていて新鮮で、私も地元に戻るのを機に新しいことに挑戦してみようと思ったんです」

▲敬幸さんとは親戚だという良徳さん。新たな挑戦に奮闘する日々ですが、その人柄とこれまでの経験を買われ、これからの新事業では……。

 そう語る良徳さんですが、扱うツールが“工具”から“パソコン”に、“機械”を組み立てる仕事から“システム”を開発する仕事にかわってとまどいはないのでしょうか。

「まだまだわからないことが多くて慣れないですが、それでも“機械”を組み立てていく作業と、“システム”をつくっていく作業は、“もの”をつくるという点で通じる部分が多いと思います。

 それにこの仕事は大きな配合飼料工場の機械設備を動かすというスケールも大きくて、自分たちがつくったシステムが実際に工場の機械設備を動かしているのを見ると、『やったー!』と叫びたくなるぐらい大きな達成感があります」

▲「JA東日本くみあい飼料株式会社」様にて作業する良徳さん。

 そう言って笑顔を浮かべる良徳さんも峻さん同様、国内トップクラスの生産規模を誇る配合飼料工場を動かすというこの仕事と出会って感動していました。そんな良徳さんにこの仕事のやりがいを尋ねると……。

「以前の会社はお客さまとの接点がなかったのですが、今は自分たちがつくったものに対してお客さまから直接『ありがとう』と言ってもらえます。そういう言葉を聞くと、やっぱりうれしいですよね。

 それに今後は会社の新事業として“携帯発電機”の分野にも進出していこうという動きがあります。私の経験はそちらにも活かせると思うので、そういうチャレンジにもどんどん携わって、たくさんのお客さまから『ありがとう』と言ってもらえるようなものづくりをしていきたいです」

 新たな夢を見つけた「テクノメイツ」のピーターパンの瞳は、キラキラ輝いていました。

自分の経験を地元で。新たな挑戦で未来を切り拓きたい。

 現在31歳の菅野祐太さんも地元・北上市出身。数学や物理が得意で地元の高校から進学した秋田大学で機械工学を専攻。卒業後は製品を製造するための設備機器をつくるメーカーで設計を担当していたそう。

「仕事は楽しかったんですが、会社が福島県にあって30歳ぐらいになったら地元に帰りたいとはずっと思っていたんですよ。そういうタイミングで……」

 取締役部長・佐藤敬幸さんに声をかけられ、入社を決めたのでした。今から3カ月前、2021年5月のことです。

「新しい3D CADソフトを導入するというお話で、それなら自分の経験も活かせると思ったんです」

 入社を決めた理由をそう語る祐太さんの現在の仕事は、さまざまな会社から依頼を受けて制御盤や操作盤を設計すること。「テクノメイツ」では、配合飼料工場のシステム開発だけでなく、電子回路の設計や制御盤・操作盤の設計もしており、2Dの図面を3Dでカタチにする最先端の3D CADが使える祐太さんはその分野を任されています。

▲祐太さんが現在手掛けている制御盤は、マンホール内のポンプを水位によって自動制御・監視するものだそう。前職とは違う3D CADソフトですが1ヵ月半ほどでマスターし、設計依頼も順調に入っているそう。

 しかし、生産設備を手掛けるメーカーの設計屋さんとして8年の実績を持つ祐太さん。そういう仕事は北上市にも他にありそうですが……。

「佐藤さんとは家族ぐるみの付き合いですし、自分と同世代が多いことも入社の決め手になりました。前の会社は、仕事は楽しかったのですが、8年間自分の下に入ってくるヒトがいなくて、そこがちょっと寂しいと感じていました。

 でも今は、仕事内容は違いますが同世代や自分よりも若い仲間もいますし、社内の雰囲気も和気あいあいとしていて楽しく仕事ができています」

 そう言って笑顔を浮かべる祐太さんも、“携帯発電機”という新事業のチャレンジにワクワクしているひとり。

「僕自身8年間、生産設備の設計をやってきたという経験がありますし、今任せてもらっている仕事もそうですが、自分の経験が活かせることはうれしいので、そういう仕事は全力でやりたいと思っています」

 そう語ってくれた祐太さん。その力強い眼差しは、大好きな地元で始まる新たな挑戦に……。

明るく楽しく。トップ営業マンが支える「テクノメイツ」の遺伝子。

 これまで3人の若手にご登場いただきましたが、みなさん口を揃えて言うのが、「会社の雰囲気が良い」ということ。

 その空気をつくっているのが、このお二人。何度か話題にも出た総務統括部 取締役部長の佐藤敬幸さんと、事業推進企画部 係長の伊藤啓太さんです。

 実はお二人とも以前は大手自動車メーカーの同じディーラーで営業を担当しており、上司部下の関係で付き合いは10年を超えるそう。

▲上段左が伊藤啓太さん、下段右が佐藤敬幸さん。お二人ともお客さまからの信頼も厚い営業マンだったそう。今回のインタビューでも若手が緊張しないように笑いを交えたり、さりげないフォローでエピソードを引き出したり……。その気遣いに助けられ、インタビューもスムースに。

 しかも、敬幸さんのお父様が「テクノメイツ」の創業者(現代表)で、その事業を継ぐために敬幸さんが前職を辞め、昨年(2020年)7月に入社する際に啓太さんも付いてきたそう。その理由は?

「クルマの営業の仕事はがんばればがんばった分だけ評価していただけるので、やりがいもあって楽しかったんですよ。ただ、なかなか土日が休めない仕事なので、子どもが生まれるともっと子どもと遊んであげたいという想いが強くなって……。

 それで悩んでいるときに敬幸さんが会社を辞めて『テクノメイツ』を継ぐことになって、敬幸さんから声をかけていただいて転職を決めました。敬幸さんには自分の悩みの相談にものっていただいていたので、『一緒に来ないか』と言われたときはうれしかったです」

 しかし、クルマの営業から配合飼料工場のシステム開発や3D CADを使った制御盤などの設計をする会社へ……。まったく畑違いの世界に、不安はなかったのでしょうか。

「それはなかったです。敬幸さんについていけば大丈夫だろうという信頼だけ(笑) それにやっぱり今回の転職は日曜日に子どもたちと遊んであげられるような働き方をすることが一番の目的で、それができるなら何でもやろうと思っていました」

▲北上市のお隣・花巻市出身の啓太さんは現在35歳。学生時代は野球一筋。二刀流としてメジャーリーグで活躍するあの選手の先輩でもあるそう!

 笑顔でそう語る通り、啓太さんの仕事は“何でも屋”。「テクノメイツ」では配合飼料工場のシステム開発を中心に、3D CADを使った制御盤などの設計、事務機器の販売、さらにオフィスの一角では代表の奥様が健康食品や健康雑貨を扱うお店も手掛けており……。

「いろんなことにチャレンジする会社なので、みんなの手が回らないところを私がカバーできればと思ってやっています。営業は得意なのでそういう仕事はもちろん、現在は新事業の立ち上げにも取り組んでいますが、そのリサーチや資料づくり……、毎日やることが違います。ちなみに昨日は花壇の手入れもしました(笑)

 ただ改めて思うのは、いろんなチャレンジができるのも、配合飼料工場のシステム開発という大きな柱があるからこそだということ。私もこの会社に入るまで知らなかったのですが、年間売上が配合飼料工場のシステム開発だけでも優に億を超える会社が北上市にある。そんなにすごい会社を裏方として支える今の仕事は私にとっても誇りだし、やりがいがあります」

 そう言って啓太さんは胸を張ります。

▲「テクノメイツ」のオフィスの一角にある「EM・エコショップ和賀店」は、代表の奥様が手掛ける健康食品・健康雑貨のお店。もうすぐ20周年を迎えるなど地域に愛され、啓太さんにとっても「私のオアシス」とのこと。

“チーム”で切り拓く「テクノメイツ」の未来。

「今一番感じているのは、クルマの営業の仕事も楽しかったんですよ。でも基本的には個人事業主といいますか、クルマを販売するまではもちろん、その後のアフターフォローも全部ひとりで対応するのが基本です。その分、がんばっただけ報われる仕事ではありますが、チームとしてひとつの目標に向かってがんばってやり遂げるという喜びは少ないんですよね。

 でも今は“みんなで”ということができる。確かに社員数は13人と決して多くはないですが、それでも会社として成長していくため、自分の仕事だけにこだわらずできることはみんなでカバーして新しいことにもチャレンジしていこうという空気が『テクノメイツ』にはあります。  

 私も野球をやっていたので、やっぱり“チームでがんばれる”というのは、やっていて面白いですね」

▲チームでがんばれる現職の魅力を語る啓太さんですが、前職の仕事の楽しさとともに感謝の気持ちも忘れてはいません。「やはりたくさんのお客さまと出会えたことは私の大きな財産です。そのつながりが今の仕事にも生きていますし、今後もそのつながりを大切にしていきたい」とのこと。

 そう熱く語ってくれた啓太さんですが、仕事に熱心になりすぎて、肝心の日曜日は……。

「もちろん、子どもたちと楽しく過ごせていますよ(笑) 以前はなかなか日曜日に休めなくて、大好きな釣りにも全然連れて行けなかったのですが、今は子どもが『行きたい!』と言えば、『じゃあ、週末行こう!』とすぐ予定が立てられますからね。

 以前は土日が休みになると我が家ではビッグイベントでしたが、今はそれもなくなりました。それどころか、何もない日曜日もあって、それが逆に新鮮です(笑)」

 配合飼料工場のシステム開発の分野で東日本有数の企業へと成長した「テクノメイツ」。その下には、さまざまな経験を積んだ若手が集い、夢とやりがいを持って新しいことにチャレンジし、未来を切り拓いていこうというイキイキとした姿がありました。

 「テクノメイツ」のこれからに、どうぞご期待ください。

▲新たに若い世代も加わり、「テクノメイツ」の次を見据えて動き出している敬幸さん。

(了)

株式会社 テクノメイツ

岩手県北上市和賀町岩崎27-144-3

Tel/0197-71-7710

2021-08-04|
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