114の地元企業が集結。 ものづくりの楽しさを子どもたちへ。 「テクノメッセ2019」開幕!

 子どもたちと地元企業をつなぐこと。

 東京に出なくても、地元にもこんな会社があるんだ、

 こんな仕事があるんだ、

 こんな会社で働くことができるんだ、とワクワクしてもらうこと……。

 今年で12回目を数える「きたかみ・かねがさき テクノメッセ」の狙いを、そう語るのは同イベントを主催する「北上工業クラブ」の専務理事・佐々木和宏さんです。

 現在の北上市は、1991年に当時の北上市、和賀町、江釣子村が合併して誕生しました。が、「北上工業クラブ」はその3年も前に、当時の北上市、和賀町、江釣子村の企業107社が集まって発足。

 岩手県内随一の工業集積地として発展を遂げる北上地域の3市町村の企業が、業種の壁を超えて交流し、お互いに切磋琢磨していこうと設立されたものでした。

 「きたかみ・かねがさき テクノメッセ」の前身となる「工業匠祭」は、同クラブが発足した翌年からスタート。当初は3年に一度、高校生が在学中に1度は地元企業と触れ合える場をつくろうとはじまりましたが、2013年の第9回からさらに発展。

 北上市だけでなく、お隣の金ケ崎町とも連携し、「きたかみ・かねがさきテクノメッセ」という現在の名称となり、2年に一度開催するイベントとして新たにスタートしたのでした。

会場は「北上総合体育館」。「出展したいという企業さんは増えていますが、会場のスペースが限られているので
これ以上増やしたくても増やせないのが悩み」と佐々木さん。

 「第1回 工業匠祭」の開催から30年以上の歴史を刻む「きたかみ・かねがさきテクノメッセ」ですが、その想いは変わることはありません。

 子どもたちと、地元企業をつなぐこと。

 東京に出なくても、地元にもこんな会社があるんだ、

 こんな仕事があるんだ、

 こんな会社で働くことができるんだ、とワクワクしてもらうこと……。

 その想いに共感する企業は年々増え続け、来場者も増加。さらに、出展した企業は来場した子どもたちにもっと楽しんでもらおうと知恵をしぼり、自社の取り組み(製品や業務内容)を紹介するだけでなく、さまざまな企画を用意している点も魅力に。それが功を奏し、前回(2年前)の来場者は過去最高の29,000人を超えるほどに成長しました。

地元企業はもちろん、教育機関や行政機関の出展も。

 ちなみに、イベントは3日間開催されますが、最初の1日は小中高校生など学生の見学がメイン。

 今年は小学校が4校、高校は県北からも含め11校が見学に訪れ、しかも高校生は1年生が中心。さまざまな企業の技術や“ヒト”“モノ”と出会えるこのイベントは、高校生たちが将来進路を決める際の役にも立っているとのこと。

「この見学に合わせて企業訪問をしたいという高校もあって、そういうお手伝いもしています。

 準備はいろいろ大変ですが、『子どもたちも楽しみにしています』という声をいただくと、このイベントをやってよかったと心から思えますね」(佐々木さん)

 1日目こそ、小中高校生が中心ですが、2日目以降は親子で楽しめるイベントも充実。木製マガジンラックや銅板キャラクター、LED親子工作、ロボットづくりなどの「ものづくり体験イベント」や、いま注目のドローン体験に加え、サイエンスパフォーマーとして活躍する「まどか先生ワクワク実験ショー」など楽しみながら学べる「サイエンスショー」も開催。

 さらに、北上市・金ケ崎町・西和賀町の絶品グルメが集う「グルメメッセ」や、同エリアのご当地ゆるキャラも大集合するなど、見どころ満載。

「子どもはもちろん、大人にも楽しんでもらえると思います。ぜひ、親子で遊びに来ていただいて、たくさんの地元企業を知っていただければうれしいですね」(佐々木さん)

 子どもたちと地元企業をつなぐ「きたかみ・かねがさき テクノメッセ」。子どもたちと地元企業との笑顔あふれるたくさんの出会いが、ものづくりの未来にもつながり、その夢も育んでいました。

第12回となる今回は、「見る・聴く・感じる ものづくりの世界」がテーマ。出展企業のブースでは、
さまざまな趣向を凝らして、ものづくりの魅力を五感で感じられるように工夫されていました。
クールなキャラで人気のアニメキャラが、何やら浮かれていると思ったら……。
人間の動きに合わせて、画面上のキャラクターを動かす「VTuber」。その仕組みは会場で! 
こちらは「岩手大学 生産技術研究センター 花巻サテライト」さんのブースです。
地元の「黒沢尻工業高校」さんのブースも。
気になったのが「おむつ電池」……。詳細は、「黒沢尻工業高校」さんの未来科学館へ。
地元企業では、「中川装身具工業株式会社 北上工場」さんも出展。
アクセサリーチェーンを手掛ける同社。最近では、即位の礼の饗宴の儀などで皇后さまが身につけられたティアラが話題に……。
「中川装身具」さんのブースでは、「ティアラをつけて写真撮影」ができる体験会を実施。
女子高生など女性たちでにぎわっていました。
「きたかみ仕事人図鑑」でもお馴染み、「いわてデジタルエンジニア育成センター」のブースも。
最先端のフルカラー3Dプリンタでつくったカラフルなプロダクトたちが子どもたちをお出迎え。
いま話題のブースも……。
こちらは、カンナで何やら削っている様子。たくさんのヒトでにぎわっており、どちらの企業かと思ったら……。
北上市で創業70年、総合建設業「千田工業株式会社」さんのブースは、頼もしい職人さんの手ほどきを受けながら
「my お箸」をつくる体験会を実施。もともとは工業系の企業で出発したイベントですが、
近年は「ものづくり」というテーマで参加企業もひろがっています。
例年、多くの見学者でにぎわうのが、くらし・医療・ものづくりなど社会のさまざまな場所にガスを届ける北上市のガスカンパニー「北良株式会社」さん。
「ガスvs電気」ごはん食べ比べ、液体窒素実験などなど、ガスの可能性を体感するさまざまな企画を用意。
なかでもテレビなどの演出で目にする、高圧ガスを利用してドライアイスを噴出する「ドライホーン」は必見!
「北良」さんでは、屋外展示も。こちらは災害などによる停電時に、
人工呼吸器など医療行為が日常的に必要な方の命をつなぐための災害支援車両です。
車内の様子。壁や天井には断熱材が入り、空調用と医療機器用の2系統の電源を引き入れられ、
ガソリンと液化石油ガス(LPG)で走るハイブリットカーやLPG発電機から電力を供給できます。
今年の春から北上市でスタートしたシェアサイクルの無料体験試乗会も!

 子どもたちと地元企業をつなぐ「きたかみ・かねがさき テクノメッセ2019」は、10月27日(日)まで。

 ぜひ、この機会に、ご家族で訪れてみてはいかがでしょう。

(了)

きたかみ・かねがさき テクノメッセ 2019

開催日時/2019年10月25日(金)26日(土)9:30~16:00

                27日(日)9:30~15:00

会場/北上総合体育館(北上市相去町高前壇27-36)

主催/北上工業クラブ

共催/北上市、金ケ崎町、北上商工会議所、岩手県県南広域振興局

●無料シャトルバスも運行

10月26日(土)・27日(日)は無料シャトルバスを運行。当日は駐車場の混雑が予想されますので、ぜひご利用ください。

発車時刻

北上駅東口発/9:00、10:00 、11:00 、12:00 、13:00 、14:00

会場(北上総合運動公園前)発/9:30、10:30、11:30、13:30、14:30、15:30

2019-10-26|
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