桜に願いを……。来春4/22(木)・23(金)開催!
日本全国の桜の名所を舞台に開催される「全国さくらシンポジウム」は、開催地に関連するテーマのもと、各地の「桜の名所づくり」の取り組みを発表。その知恵を共有することで、住民と行政が一体となって実践するより良い地域づくり・まちづくりに役立て、その取り組みの輪を全国にひろめていこうと1982年からスタートしました。
毎年場所をかえて開催される同シンポジウムは、来年の2021年が記念すべき40回目。
その舞台に選ばれたのが北上市であり、「2021 全国さくらシンポジウム in 北上」と題して、来春4月22日(木)・23日(金)の2日間にわたって開催決定!
というわけで、今年の夏、同シンポジウムを彩る大会テーマが一般公募されました。対象となるのは、北上市在住や北上市に通勤・通学しているなど北上市にゆかりのある方。となると、「きたかみ仕事人図鑑」も対象となるため、思い切って応募してみることに!

取材活動を通して出会った感動を、大会テーマに。
そもそも「きたかみ仕事人図鑑」は、北上市でがんばる魅力的な事業者さんたちを世界に発信するべく2018年8月より活動をスタートしたわけですが、みちのく三大桜名所にも数えられる「展勝地」が生まれた背景を知ったのも、その活動がきっかけでした。
その出会いは、展勝地の桜の花びらから採取した桜酵母を使用してつくるクラフトビールが人気の「さくらブルワリー」さんを取材したときのこと。

同ブルワリーのオーナーでありビール醸造家であるスティーブン・マイケル・バットランドさんは、現在の展勝地の礎を築いた沢藤幸治氏と縁があり、さらにそのことを誇りとしてブルワリーの名に「さくら」を冠したそう。
その取材がきっかけで展勝地が生まれた背景に興味を持った筆者は、個人的にも調べ、展勝地の桜並木の南側入口を見守るように立つ沢藤幸治氏の銅像にもたびたび足を運んだのでした。

展勝地を日本有数の桜の名所に。未来にタネを蒔く先人の取り組み。
そうしたなかで見えてきたのが、未来に夢を託した先人たちの想い。
今から100年前、当時は荒廃していたというこの地に桜の木を植え、一地方の桜の名所ではなく、“日本有数”の桜の名所にしようと市民に呼びかけ、活動したという沢藤幸治氏の挑戦。
それは、100年先を見据えて未来にタネを蒔く素晴らしい取り組みだと感じました。
しかも、各地にある多くの桜の名所が同一種をたくさん植えているのに対して、展勝地は構想段階から多様性を大事にしている点が魅力。
山桜は白と紅の2種類があり、その接点にある北上市の土地柄を生かして「あらゆる桜を集めた “桜の園”をつくらんと夢」みて計画したとは、銅像の隣に立つ石碑にも記されています。

さらに、桜は常緑が背景にあるとその美しさが一層際立つことから、桜の植樹だけでなく、計画的に赤松などの樹木を植えている点も「日本有数の桜の名所へ」という明確なビジョンがあったからでしょう。

住民と行政が一体となって育む未来。次の100年へ。
100年前のそうした想いが世代を超えて受け継がれ、住民と行政が一体となって育み、現在では「みちのく三大桜名所」と称されるまでになった「展勝地」……。
2021年、開園100周年を迎えるこの地を舞台に開催される「2021 全国さくらシンポジウム in 北上」の大会テーマは、そうしたヒストリーを持つ展勝地だからこそ語れる「次の100年に向けて何ができるのかを考える機会になれば」という願いを込めて考案。
桜とつむぐ 次の100年へ
という大会テーマが誕生したのでした。
このたびは、光栄にも大会テーマに選んでいただき、ありがとうございます<(_ _)>

気になる「2021 全国さくらシンポジウム in 北上」の内容ですが、4月22日(木)は北上市文化交流センター「さくらホール」を舞台に、「展勝地とドラゴン桜と」と題して北上市出身の漫画家・三田紀房さんによる記念講演を実施。
さらに桜の愛護活動の事例報告や全国各地の桜に関わる関係者を招いてのパネルディスカッションを開催。
そして、2日目となる4月23日(金)には、展勝地を中心に北上市の名所をめぐる現地見学会が開催されるとのこと。
次の100年へ……。「2021 全国さくらシンポジウム in 北上」が未来にタネを蒔く実り多き機会となることを祈っております!
もちろん、その取り組みについては「きたかみ仕事人図鑑」でも紹介する予定です。どうぞ、お楽しみに!
◇同シンポジウムの詳細はこちらをクリック! ⇒ 2021 全国さくらシンポジウム in 北上
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(了)
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