名前のないお店、オープン。

 9月11日(火)午前10時にオープンしました。営業時間は午後3時まで。毎週火曜日、同じ時間にオープンします。場所は、JR北上駅西口から諏訪神社方面に向かって徒歩3分。北上駅前郵便局のはす向かいにあります。

 しかし、まだお店の名前はありません。お店の名前よりも、知ってほしいことがあるからです。それは、自然栽培でつくるオーガニックな野菜の魅力です。東京などでは広く認知されてきていますが、東北ではまだまだその魅力が知られていません。自然栽培のため、出荷数も少なく、市場になかなか出回らないことも原因です。

 でも、その魅力を多くの方に知ってもらいたい……。そんな想いから、“商売”というよりは、みなさんとオーガニックな野菜が出会うきっかけになれば、と願ってのオープンです。

 この日に集まったメンバーは5人の自然栽培農家と、場所を提供してくださった「フルーツ きやなぎ」のご主人。北上市では、健康的な日常生活の推進と魅力ある農村コミュニティづくりをめざして、オーガニック・エコ*への取り組みを支援していますが、そこでの出会いがこのお店のオープンにつながりました。

 「木こりの菊池農園」の菊池儀博(よしひろ)さんは、木こりと農業を兼業。娘さんと一緒に北上市立花で自然栽培と天日はせ掛け乾燥にこだわってお米をつくっています。銘柄は、明治時代のお米「亀の尾」と昭和初期の「ササシグレ」。いずれも、アメリカ型の農業が輸入される以前の日本のお米です。

 

 「神楽農園」の高橋玲子さんと由佳さん親子は、北上市和賀町岩崎で土づくりにこだわった自然栽培を実践しています。土壌中の微生物のアミノ酸発酵を促すことで、ホロホロに団粒化したフカフカの土をつくり、元気な野菜を育てています。

 佐藤祥樹(しょうき)さんはオーガニックな野菜づくりをはじめて4年目。アトピーなどで困っているヒトの役に立ちたいと、アルバイトしながら自然栽培の野菜づくりに挑戦しています。北上市内で農家をしているご両親も、そんな祥樹さんを応援してくれています。

 「喜多蔵」(きたくら)の喜多賢一さんは、東和町で自然栽培に取り組んで1年目。福島県出身の喜多さんは大震災を経て、改めて自分のライフスタイルを見つめ直し、自然栽培の野菜の魅力にたどり着きました。北上市内にある自然派ワインとオーガニック野菜を使用したメニューが揃うワインバー「Bon-Bar」(ボンバル)でアルバイトしていたつながりで、今回の取り組みにも参加しています。

 店舗は、北上市諏訪町商店街にお店を構える「フルーツ きやなぎ」さんのご厚意で駅から近い場所に借りられることができました。

「みなさんの野菜づくりに対する情熱に触れて、ご協力することにしました。この場所は、諏訪町商店街とJR北上駅を結ぶ中間にあります。この取り組みをきっかけに自然栽培の魅力を多くの方に知ってもらって、さらに諏訪町商店街にも足を運ぶきっかけになってくれたらうれしいですね」(フルーツ きやなぎ・鬼柳洋さん)

 このお店が、今後、どうなっていくのかは未知数です。しかし、「どうなるかはわからないけど、まずやってみよう!」「少しでも多くのヒトに自然栽培の野菜の魅力を知ってもらいたい!」 そんな想いが、毎週火曜日、午前10時にお店をオープンする原動力です。

 お店に看板こそありませんが、元気に育った野菜を並べて、みなさんと会える機会を楽しみにしています。できることから一歩一歩。自然栽培農家さんたちの新たなチャレンジがはじまりました。

 

*オーガニック・エコとは?……有機栽培(無農薬・無化学肥料)および特別栽培(農薬・化学肥料の使用量を県が定める基準の半分以下に低減)による、体と環境にやさしい栽培方法のこと。

 

(了)

 

岩手県北上市青柳町1-5-42

営業日時/火曜日のみ 10:00~15:00

2018-09-12|
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