ヒトとモノを、作り手と地域をつなぐ。 10月28日(日)、「町分マルシェ」開催!

 お店に行けば、たくさんの“モノ”が並んでいます。しかし、それらひとつひとつの“モノ”たちに、それらをつくるひとりひとりの“ヒト”がいて、そのひとりひとりがいろんな“想い”や“情熱”を持ってつくっていることを知る機会はほとんどありません。

 おいしい野菜やお米を安心して食べてもらえるようにと心を砕いて作物を育てる農家がいます。わが子のように牛や豚、鶏を健康に育て、その豊かな恵みを食卓に届けようとする牧場や農場があります。“一杯”のコーヒーやフルーツジュース、“ひと皿”のスウィーツや焼き菓子に情熱を注ぐカフェやお菓子屋さんがあります。木製食器、磁器、陶器など、普段使いを考えて素朴でシンプルなデザインながら、あたたかみのある器をひとつひとつ丁寧につくる職人たちがいます。

【過去のMachibun Marcheの様子】

 

 

 そうした作り手の“想い”や“情熱”を地域のヒトたちにもっと知ってもらいたい。私たちの身近にもいる、そうした作り手たちと地域のヒトたちをつなぐ場をつくりたい……。そんな願いから、北上市をはじめ岩手県内や時には県外の作り手にも声をかけ、作り手の想いが詰まった“暮らしを楽しく豊かにするモノ”たちを集めて開く市場「Machibun Marche」(町分マルシェ)は、2014年にスタートしました。

 きっかけは、2013年に盛岡市から北上市和賀町の米農家に嫁いできたひとりの女性の“想い”からです。

「せっかく良いものをつくっていても、それを地域の方たちに知ってもらう場があまりにも少ないと感じていました。それに、私自身も北上市に引っ越してきて、もっと北上のことを知りたいと思ったし、いろんなヒトと出会いたいと思ったのがはじまりです」と語るのは、第1回からMachibun Marche実行委員会の代表を務めてきた長谷川真弓さん。

真弓さんは減農薬のひとめぼれや、農薬・化学肥料不使用のお米数種類をご主人と一緒につくる「ナナツノツキノ」を設立。「Machibun Marche」にも毎回出店していますが、真弓さんは運営に専念するため、イベント当日はご主人がお店を切り盛りしているそう。

 7回目を数える今回の「Machibun Marche」は、10月28日(日)に開催されます。

 これまで培った技術と経験を活かし、地元の生産者さんがこだわってつくった食材のおいしさを伝えようと腕を振るうレストラン。テーブルウェアや照明・家具など、古さの中に新しさがあるヴィンテージ雑貨の魅力を広げようと地道に取り組むお店。手仕事の業が光る竹細工のかごや、わら細工のアクセサリー、麦わら細工の小物をつくる職人たち。一点一点絵を描くように染めた生地で衣服をつくる手描き染め作家。撮り直しのできない昔ながらの大型カメラを使用して、一枚一枚丁寧にモノクロの記念写真を撮影する写真館。訪れる場所に合わせて本をセレクトし、1日限りの本屋を開く移動式の本屋……。

 今年も、自分の仕事に信念や誇りを持って取り組み、消費者により良いものを届けようとがんばっている作り手たちが北上市にある詩歌の森公園にやってきます。参加する店舗の数は、およそ65。しかも、多くの作り手たちが、このイベントに参加することを楽しみにしているといいます。理由は、その会場の雰囲気でしょうか。

【今回も作り手の想いが詰まったアイテムがたくさん登場】

 

稲わらでつくったイヤリングは葛巻町の作家さんが手掛けたもの。「ナナツノツキノ」で販売予定です。

「最初の頃は若い女性が中心でしたが、最近は男性も増えて世代も広がってきています。小さなお子さんを連れて親子三世代で遊びに来てくださる方や、ご近所の60~70代の方が散歩がてら立ち寄ってくださって、いつの間にか作り手さんと話し込んでいたり……」(真弓さん)

 変に構えたりせず、作り手と買い物客がざっくばらんに会話を楽しんだり、公園でくつろぎながら思い思いのペースでゆっくり買い物するなかで、身近にいながら知らなかった“モノ”たちの魅力や、作り手たちの“想い”や“こだわり”に触れられる楽しさが、作り手だけでなく地域の幅広い世代にもゆっくり着実に広がっています。そして、それがきっと「Machibun Marche」の肩肘張らない雰囲気をつくりだしているのでしょう。

【過去のMachibun Marcheの様子】

 

  

 

 

 今回から真弓さんはMachibun Marche実行委員会の代表の役割を若い2人の女性に任せ、ひとりのスタッフとしてこのイベントを支えています。

「Machibun Marcheは多くのボランティアに支えられていますが、最近は個人で参加する高校生も増えています。そういう子たちが『大学生になったら岩手を出ていくかもしれないですけど、この経験を活かして、さらにいろいろな経験を積んで岩手にいつか帰ってきます』と言ってくれるんですよ。それが、うれしくて……。その子たちのためにも、このイベントをずっと継続していきたいと考えたとき、次の世代の感覚を活かしながら未来につないでいくことが大切だと思ったんです」(真弓さん)

ボランティアスタッフの打ち上げの様子。左から6人目が真弓さん。みなさんの仲の良さが伝わってきます。

歴代の「Machibun Marche」のリーフレット。中央の黒を基調としたデザインが今回のもの。詩歌の森公園に散っていた葉っぱがモチーフです。

作り手の“想い”や“情熱”を地域のヒトたちにもっと知ってもらいたい。私たちの身近にいる“想い”や“情熱”を持った作り手たちと地域のヒトたちをつなぐ場をつくりたい……。そんな願いからスタートした「Machibun Marche」は、地域にゆっくり根をのばしながら、未来に向かってもしっかり枝葉を広げていました。

最後に「Machibun Marche」の楽しみ方について、真弓さんに伺ってみました。

「飲食店やパン屋さんもたくさん参加するので、お店ごとにランチを準備して販売したりもしていますが、人気のためお昼時になるとすでに売り切れていることが多いんですよ。ですから朝ご飯は軽めにして、会場に来たら早めにランチをどれにするか選んで購入しておくのがおすすめです。

それと、公園で開催するので椅子やテーブルなどもありません。開催時間も10時から16時までたっぷりあるので、シートや寒さ対策用にブランケットなども用意して来ていただくと、このイベントをさらに楽しめると思います。芝生の上にシートを広げて、のんびりくつろぎながらランチタイムを過ごしたり、ワークショップも人気なのでワークショップに参加したあとに芝生の上でゆっくり休んだりしながら、イベントを満喫していただきたいですね」(真弓さん)

今のところ、10月28日(日)は晴れの予定です。昨年は大雨の開催になってしまったにもかかわらず、大勢のヒトが会場に足を運んでくれたといいます。だからこそ今年は雨対策もしっかり進めていますが、やはり青空の下でみなさんとお会いしたい。それは真弓さんだけでなく、ボランティアスタッフ全員の願いでもあります。

10月28日(日)は、青空の下で会えますように。作り手の想いが詰まった“暮らしを楽しく豊かにするモノ”たちも、きっとそう願っていることでしょう。

◇長谷川真弓さんは、地元の生産者さんと飲食店さん、さらには消費者をつなぐ北上市の「食のつながり」認証制度の普及を推進する「kitakami gohan」の取り組みも。興味のある方はこちら!

◇「町分マルシェ」の新旧実行委員長と、イベントに参加する事業者さんがラジオにも登場。詳細はこちら!

(了)

Machibun Marche vol.7       

日時/10月28日(日)10:00~16:00

会場/詩歌の森公園(岩手県北上市本石町2-5-60)

主催/Machibun Marche実行委員会

共催/北上市

※当日は会場内のゴミ箱は使用することができません。お持ち帰りのご協力をお願いいたします。

※エコバック持参のご協力をお願いいたします。

※雨天の場合は、詩歌の森公園近くの屋根のある別会場を予定しています。詳細はMachibun Marche公式サイトにてご確認ください。なお当日雨天の場合は、朝9時に公式サイト・SNSにて開催の可否、開催する場合は別会場のご案内をいたします。

2018-10-11|
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