夢を語る大人たち。

 夢を語るのは、子どもだけの特権ではありません。

 11月2日(金)、北上市で創業した5人の男性と、青森市で創業した女性1人が北上市内に集い、事業にかける“想い”とこれからの“夢”を語り合う「創業セミナー」が開催されました。

 場所は、若者や女性に創業の場を提供する空間として諏訪町商店街の一角にこの春オープンした「Cokkaraやっぺし」。午後6時からスタートしたこのイベントは、北上市の「起業家チャレンジ支援事業」の一環として行われました。

 北上市では、同市にゆかりのある篤志家の方から寄せられた寄付金をもとに、「起業家チャレンジ支援事業ビジネスコンテスト」を開催。これは、市内で起業し事業を展開しようとする方を対象に、新規性・独創性のあるビジネスプランを持った人材を発掘・支援するのが目的で、コンテスト参加者は起業のノウハウを学ぶ「創業支援塾」(全5回)を受講。

 専門家のアドバイスを受けながら自らのプランを磨きあげ、審査会で発表し、優秀賞に選ばれた3人にはそれぞれ100万円の起業準備支援金が与えられ、その後のフォローも受けられます。審査会は来年1月に行われる予定ですが、それに向けて11月5日(月)からスタートする第3回「創業支援塾」を前に、今回のイベントが開かれました。

「合同会社dashi-factory雅(MIYABI)」代表・奥村雅美さん

 今回トップを飾ったのは、“だし”の魅力を広めたいという想いから「合同会社dashi-factory雅(MIYABI)」を青森市で立ち上げ、活動する奥村雅美さん。

 奥村さんは、それまで東京・大阪・名古屋でしか開催されていなかった「だしソムリエ検定」を青森で開催し、「あおもりだしStyle」という団体も設立。さらには青森県の減塩推進事業「だし活!」の講師も担当し、月イチで地元のテレビ番組にも出演するなど幅広く活動しています。

 しかし、2012年に青森県初の「だしソムリエ」となった当時は、「だしソムリエ」の認知度も低く、多くのヒトに自分を知ってもらうため、「月に1回はメディアに出る!」という目標を立てて積極的に活動し、仲間も少しずつ増やしていったエピソードを紹介。「想いは叶うもの」という言葉を胸に、「仲間とともに青森から、だしの魅力を世界に発信していきたい」という新たな夢を語りました。

「P&Cリンク」代表・菊池康弘さん

“北上のやおやさん”の愛称で親しまれる「P&Cリンク」の菊池康弘さんは、Producer(生産者)とConsumer(消費者)をつなぐ会社(やおやさん)をつくろうと、2016年に北上市で創業しました。

 自ら農家さんの畑に足を運び、農家さんの想いやこだわりをしっかり受け止めながら、作物の生育状況なども把握。そうした情報を一人ひとりのお客さまに伝え、自分が自信を持っておすすめできる野菜しか売らないという信念を持って事業を展開しています。

 夢は「北上野菜を多くのヒトに知ってもらい、日本一の八百屋になること」だと語る菊池さんは、現在北上市の「ふるさと納税返礼品・野菜セット」を担当。地元の農家さんとともに一致団結して取り組み、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス~野菜部門お気に入りランキング」で2年連続1位となるなど大きな成果もあげており、「日本一の八百屋になる」という夢に向かって着々と歩んでいる姿がそこにありました。

「FOLKJOE合同会社」代表社員・八重樫裕己さん

オシャレを楽しむヒトを応援する地域密着型のWebサイト「FOLKJOE(フォークジョー)」を10月1日にオープンした八重樫裕己さん。 “オシャレ”に敏感なヒトと、今ある地域の店舗や企業、街の風景などをハイセンスなデザインで結びつけることで新たな消費を生み出し、街を活性化させようというその取り組みに注目が集まっています。

 八重樫さんは、単に地域の店舗や企業を紹介するのではなく、情報の見せ方にもこだわって、そのブランド(店舗や企業の考え方)が持つ価値も高める「ブランディング力を持ったWebサイト」にしていきたいと今後の夢を語りました。

「株式会社connect」代表取締役・黒澤豊さん

昨年の「起業家チャレンジ支援事業ビジネスコンテスト」の優秀賞に選ばれたひとり、「株式会社connect」の黒澤豊さんも登場。

 認知症対応型のグループホームと小規模保育園をひとつにし、さらに地域住民の方も気軽に集まれる交流スペースの機能も備えた「グループホーム おおきな木」「ほいくえん ちいさな木」を来年春にオープン予定の黒澤さん。地域に根ざした施設をつくり、高齢者の方、子ども、障がい者の方、地域住民の方が交流できるようにすることで、お互いが支え合い、活かし合う、「地域が響生」する環境を実現したいと夢を語りました。

 オープンに向けて施設の準備も順調に進んでいるという報告をする際には、ご自身が一番ワクワクしている様子が伝わってきて、こちらも来年春のオープンが楽しみになりました。

「EN-DO企画」代表・遠藤哲也さん

ホテルマンとして22年のキャリアを持つ遠藤哲也さんは、フリーアナウンサーや美容家としても活躍する奥様・遠藤修子さんとともに、ブライダル・パーティ・イベントなどを企画・運営する「EN-DO企画」を創業。

 遠藤さんは近年、日本人の半数が結婚披露宴を挙げないことに着目し、北上市をどこよりも「結婚披露宴を挙げる街にしよう!」という夢に向かって夫唱婦随で取り組んでいます。「結婚披露宴を挙げることで、多くの“ご縁”が“つながり”、それが人生を豊かにしてくれるということを改めて感じてほしい」としみじみ語る遠藤さんの言葉には、ホテルマンとして長年にわたり数多くの結婚披露宴に携わってきたヒトの実感がこもっていました。

「Water & Snow SPICE」代表・佐藤克行さん

Water & Snow SPICE」の佐藤克行さんは、夏油高原スキー場のスキースクールの講師をしていますが、冬はにぎわう夏油高原に、夏になると誰も足を運ばなくなる現実を変えようと今年の春に起業しました。

 日本SUP協会(SUPA)公認のインストラクターでもある佐藤さんは、夏油高原にある入畑ダムを拠点に、近隣のダムや湖などで水の上を歩くように楽しめるSUP(サップ=スタンドアップパドルボードの略)で大自然を堪能するツアーを企画。近隣の飲食店・温泉・宿泊施設などともコラボすることで観光客を呼び込み、地域全体で夏油高原を盛り上げていきたいという夢を熱く語りました。

 それぞれ個性的で、独創的な夢を持って事業に取り組む6人の創業者たちの話を聞いていると、その先にある私たちの暮らしの未来もひろがっていくようで、ワクワクします。

 11月5日(月)からスタートする第3回「創業支援塾」には25歳から49歳までの男女の方が6名参加するとのこと。来年1月に開催予定の「起業家チャレンジ支援事業ビジネスコンテスト」に向けて、どんな夢を持って自身のプランを磨きあげていくのか……。来年のコンテストが楽しみになるイベントでした。

 この日登場した6人の創業者と同じように、胸を張って“今”の事業を語り、これからの“夢”を語れるように。創業支援塾に参加されるみなさん、がんばってください!

 

北上市起業家チャレンジ支援事業ビジネスコンテストの詳細はこちら!

 

◇「Water & Snow SPICE」の佐藤克行さんについては、仕事人図鑑でも紹介しています。興味のある方はこちら!

 

(了)

2018-11-05|
関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA