7月20日(月)午後5時。
同日、午後7時50分。
午後8時……。スイッチオン!
2004年度、建築・環境デザイン部門でグッドデザイン賞を受賞したのを皮切りに、さまざまな賞を受賞してきたその建物は、ガラス張りのモダンなデザインが特徴。
建物を支える白い柱が、ガラス越しに黄褐色の光を帯びて浮かびあがると、さながら夕陽に染まるパルテノン神殿のよう……。
舞台照明色で「アンバー」(#31)といわれるその色は、あたたかな色あいが見るヒトの心を穏やかな気持ちにさせてくれます。
コンクリートにライトを反射させたり、白い柱に直接ライトを当て、ガラス越しに白い柱を浮かびあがらせたり、鏡にライトを反射させ、色合いを強調したり……。
ガラス張りの建物の特徴を生かしたライティングは、さまざまな照明の技術で見るヒトを楽しませようという心遣いが随所に散りばめられています。
あたたかな色合いが特徴の「アンバー」でも、ライトの当て方次第で色合いを微妙に変化させ、豊かな表情を見せてくれるから不思議。訪れたヒトをつかの間、非日常の世界へと誘います。
もちろん、「アンバー」の灯りは利用者さんをお出迎えする表だけでなく、スタッフが出入りする搬入口にも……。
一方、その灯りの内部では、午後8時を過ぎても利用者さんたちの姿が……。勉強や読書に夢中なヒト、趣味のダンスや音楽に打ち込むグループ……。
そうしたヒトたちをあたたかく包み込むように、穏やかな「アンバー」の灯りは午後9時まで点灯していました。
見るヒトを穏やかな気持ちにさせ、あたたかな雰囲気で包み込んでくれる「アンバー」の光を、「ろうそくの灯り」だと語るのは、この灯りを創り出した照明さん。
コロナの影響で世界のエンターテインメントは、さまざまな公演やイベントが中止や自粛を余儀なくされています。
そうしたなかで、それを裏方として支えるスタッフやイベント従事者が、全国で同時に「アンバー」の灯りでライトアップしようと企画された「Japan #31Project」。
今回のライトアップもその一環として、7月の毎週月曜日、午後8時から灯りをともしてきました。
まだまだ自粛が続くエンターテインメントの復活はもちろん、コロナ禍により多くのストレスや不安を抱えている方々へ、「ろうそくの灯り」のように眺めているだけで穏やかな気持ちになれるひとときを……。
「明日もがんばるぞ!」と思ってもらえるきっかけに少しでもなれたなら……。
このライトアップは、次の7月27日(月)午後8時からがいよいよ最後。
「アンバー」の灯りに願いを込めて……。
(了)
さくらホール JAPAN#31プロジェクト
開催日/7月6日(月)・13日(月)・20日(月)・27日(月) ※ 全4回
ライトアップ時間/20:00~21:00
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