北上市民が胸に秘めた「愛」のさけび、とは?
~ 黒沢尻2区の愛のさけびを自分たちでさけぶ。~
そんなタイトルに惹かれて1月17日(日)に訪れたのは、北上市文化交流センター「さくらホール」。
「こっぱずかしくて(恥ずかしくて)……と遠慮がちな北上人の仕事に対する熱い想いを発信!」するべく活動してきた「きたかみ仕事人図鑑」も3年目。
これまで多くの“きたかみ仕事人”と出会ってきましたが、第一印象こそ確かに「遠慮がち」だったものの、いざ取材を進めていくとそのイメージは一転。うちに秘めた「仕事」に対する熱い想いがあふれだすことを知っている筆者としては、北上市民の方たちがどんな“愛”をさけぶのか……、「ぜひ聞いてみたい!」と会場に足を運んだのでした。
舞台公演がコロナで……。地域密着型のスタイルでチャレンジ!
北上市には市民が気軽に演劇と触れ合える場として、さらには演劇づくりを通して北上市の歴史を継承するとともに、芸術文化を創造していこうと取り組む「北上市民劇場」があります。運営するのは「さくらホール」(一般財団法人 北上市文化創造)と「北上市民劇場を盛り上げる会やっぺし」の方々。
その活動の一年の集大成として、40年以上にわたって毎年舞台公演も行われてきましたが、しかし昨年はコロナの影響で中止に。
そこで今年度はコロナを機に地域に開かれた劇場の在り方を改めて見つめ直そうと、地域密着型の新しい演劇づくりにチャレンジ。具体的には、「さくらホール」のある黒沢尻2区に暮らす50~80代の方たちから「愛するもの」をテーマにお話をうかがい、そのエピソードを基に脚本をつくり、舞台化するという取り組みです。
「話して 演じて 観て 分かち合う 北上人の知られざる人生」というサブタイトルが表す通り、演劇づくりから発表までを通して地域のヒトの想いをみんなで共有しようという今回のプロジェクト。そのキックオフとなる地域の方へのインタビューは昨年11月に行われ、高校生を含む北上市民13名が参加しました。
黒沢尻2区には「さくらホール」を中心に住宅や飲食店、さらには大型量販店などが立ち並び、近くを国道4号線が走るなど交通の利便性もよく、世帯数は現在1,000を超えます。
しかし、お話をうかがった地域の方々が子どもの頃は「蒲谷地(がまやち)」という地名で、一面田んぼがひろがる農村地帯。家は茅葺屋根で、世帯数もわずか50ほどだったそう。
女子高生の脚本も舞台化!「北上市民劇場」の新たな挑戦!
そうした地域の歴史もひも解きながら、パートナーとの出会い、情熱を傾けた仕事や趣味、ふるさとへの想いなどなど、さまざまな視点で語られる地域の方々の「愛するもの」のエピソードは、参加者自らが脚本に! しかも、そのなかには女子高生の作品も!
筆者が取材に訪れた1月17日(日)は、その脚本のお披露目とともに劇練習のスタートの日でもありました。
本番は、1月31日(日)!
限られた時間ではありますが、これから練習を重ね、どんな劇に仕上がるのか……。出演者のみなさんはこの日初めて脚本を手にしたにもかかわらず、最初の読み合わせからエンジン全開!
なかには「はまり役」だったのか、すっかり役になり切って、水を得た魚のようにイキイキと掛け合いをするコンビも誕生するなど、誰よりも出演者のみなさんが本番に向けてワクワクしている様子が練習から伝わってきます。1月31日(日)の発表会が楽しみになりました!
さて、気になるのが、脚本。
今回は「愛するもの」をテーマに4つのストーリーが展開しますが、王道の甘酸っぱい恋愛劇はもちろん、嫁ぐ娘と母の会話を通して「幸せとは?」を見つめる家族劇、「お見合い話」で盛り上がる井戸端会議を通して庶民の暮らしをイキイキと描くコメディ、さらに「さくらホール」の立地が決定したときの地域の新年会の様子を通して、そこに込めた想いに迫るヒューマンドラマと、バラエティ豊か。
果たして、1月31日(日)の発表会では、どんな“愛”が……。
「北上市民劇場」の新たなチャレンジとともに、参加者さんたちの全集中! 渾身の演技にも注目です!
(了)
第44回 北上市民劇場
新・演劇プログラム
話して 演じて 観て 分かち合う 北上人の知られざる人生
プログラム「黒澤尻2区の愛のさけびを
自分たちでさけぶ」
劇の発表会/2021年1月31日(日)
会場/北上市文化交流センター「さくらホール」 大アトリエ
開場/13:00
開演/14:00
入場料/無料
主催/一般財団法人 北上市文化創造、北上市民劇場を盛り上げる会やっぺし
共催/北上市、北上市教育委員会、黒沢尻二区区民協議会
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