ホタルと親子。

【ホタルが多く見られる条件】

✓  曇っている・月あかりがない → (今日は三日月!

  蒸し暑い → (蒸し暑くはないなあ。気温も19℃……

✓  風が吹いていない → (風は吹いてない!

✓  時間帯は午後8~9時頃 → (宿を午後8時に出発。鑑賞スポットまで車で約10分!

 4つの項目のうち、3つをクリア!  

 (となれば、ホタルはもう見れるでしょ!)

 私はホタルを見る気満々で、北上市の夏油高原にある「瀬美温泉」に意気揚々と乗り込んだのでした。

 瀬美温泉は美肌効果にすぐれた成分「メタケイ酸」が多く含まれ、トロトロとした心地よい肌触りのお湯が評判で、「美人の湯」として広く岩手県外にも知られている温泉宿です。

 かくいう私は、本サイトの「仕事人図鑑」の取材でこの温泉宿を訪れています(詳細はこちら!) その取材で「美しいホタルが見られる」と知り、「そういえばホタルって見たことないなあ」と気づいた私は、同温泉宿にある「ホタル宿泊プラン」(7/5~7/10)を利用して、ホタルを見にやってきたのでした。

  しかも、夏油高原では川辺や田んぼの周りで見られるゲンジホタルやヘイケホタルだけでなく、山林に生息するヒメボタルも見られるそう。ただ、今回は山林まで行くには時間もかかるということで、ヒメボタルはあきらめ、川辺に生息するゲンジホタルを見にいく瀬見温泉のプランを選択。

 訪れたのは、7月6日(土)。個人的にチャレンジできるのは1日しかないため、天気予報はもちろん事前にチェック!

  最初にも触れた通り、「ホタルが多く見られる条件」を踏まえて、曇りの日を選び、おまけに当日は風もほとんど吹いていませんでした(ここまでは予想通り!) 

 ただ、蒸し暑く、はない……。しかし、ホタルツアーは午後8時にスタートとあって、条件4つのうち3つを満たしています。

 「これなら見られますよね?」と瀬美温泉のスタッフさんに尋ねると、「見られるといいですねえ」と笑顔の答えが。

 やっぱり自然が相手のため、100%絶対に見られるわけではないとのことでした。が、すっかり見る気満々の私は、逸る気持ちを抑えられず、瀬美温泉からクルマで5分ほどのところにある入畑ダムへ。

 入畑ダムはホタルが見られる夏油川の上流に位置し、すぐ近くにはダムを見下ろす展望広場があります。

  ここからは入畑ダムはもちろん、そこから流れ出る夏油川、さらには北上市内を含む北上平野を遥かに見渡すことも……。

 その展望広場にのぼってみれば、笑っちゃうぐらいの「曇り空」!

 遥か遠く、北上市内は晴れているようですが、夏油高原は曇り空にすっかり覆われ、ふだん訪れたら青空が見られず残念な風景も、ホタルが見たい私には絶景!  

 この下の川沿いに、小さなホタルたちの営みがあり、闇の中で明滅する命の灯があり、やさしく輝く世界があるのかと思うと感動すら覚えます!

  展望広場をあとにすると、道路にある温度計は19℃を表示。蒸し暑くないのだけが、気になります……。が、

宿に戻れば、ホタルに関する絵本や生態本が並ぶコーナーもライトアップ!  期待も高まるばかり!

 午後8時出発の前に、午後6時から夕食が……。この日は地元・北上産の「白ゆりポーク」のしゃぶしゃぶがメイン。本来なら詳しくご紹介したいところですが、今回の主役はホタル! さっさと食事を済ませると、

「美人の湯」も帰ってきてからのお楽しみ! というわけで、ホタルコーナーで事前学習!

 (なになに……)と本を読み出せば、ホタルが発光する理由は、仲間に自分の居場所を知らせ、コミュニケーションをとるためだそう。コミュニケーションのその先にはメスへのプロポーズも……。

 「恋に焦がれて鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が身を焦がす」という有名な都都逸にもある通り、小さなホタルの命の輝きにはロマンがありますね。楽しみ~! などと考えていると、外は真っ暗。いよいよ出発時間です!

 外に出ると、瀬美温泉名物の巨大な鬼のお面の目もキラリ!

 宿まで発光しています! 「これは、絶対ホタルが見られるでしょ!」とほとんどホタルを見た気分で宿のバスに乗り、10分ほど走った先で下車。すると……

 真っ暗! 

 「どこどこ、ホタルどこ?」とキョロキョロしていると、ようやく目も慣れたのか、あちらこちらにホタルの光が見えてきます!  が、この日はホタルの数は少ない様子。「蒸し暑くなかったからかな……」などと残念がっていると、聞こえてきたのはチビッ子とママさんの会話。

男の子「あっ、光った! あれ、ホタルでしょ!」

ママさん「そうだよ。よかったね~、ホタルの光が見られて」

男の子「あ、あそこでまた光った!」

ママさん「キレイね」

男の子「すご~い!」

 その会話を聞いて、恥ずかしくなってしまった私……。こちらの勝手なイメージで、たくさんのホタルの光が乱舞する風景を期待していた私に対して、その親子2人は数の多さではなく、ひとつひとつの命の輝きに感動しているのでした!

なんてステキな親子!  それに対して、なんて小さな私……。

 そう反省はするのですが、それでも「せっかくだから、ちょっとスマホで撮ってみるか。キレイに映るかも」とスマホを取り出す、あきらめの悪い私……。

 ホタルの光はとても弱いため、スマホでは撮れない場合が多いことと、フラッシュはNGということを踏まえて、スマホで撮影してみました。が……

 それでも、かろうじて映った命の輝きに感謝! 見えます?(笑) 真ん中の上の方に映っている小さな点の輝き!

 ホタルの光は仲間とのコミュニケーションやプロポーズのためだそうですが、この光を見ているのは仲間か、それとも憧れのメスか……。

 ちなみに、ホタル鑑賞に訪れた場所の隣には、ログハウス「サンタハウスGETO」が。先ほどの親子も、こちらに訪れたゲストのよう。ホタルの光と出会って、ステキな思い出ができたんだろうなあ、きっと。

 この日は真っ暗で周りの状況がよくわからなかったため、翌日、改めて訪れて見ると……。

 豊かな自然のなかに夏油川のせせらぎがありました。 北上市内からクルマでわずか20分ほどのところで、ホタルが見られるなんて!

 それはさておき、この日は夏油高原エリアを駆け抜ける自転車ロードレース「きたかみ夏油高原ヒルクライム2019」の開催2日目。

 注目のレースは、夏油高原スキー場まで全長18.1km。最大標高差561m、平均斜度3%の坂を駆け抜けるヒルクライムに、男女約600人が参加。

 夏油高原スキー場の近くにある瀬美温泉の入り口の前もコースになっており、たくさんのロードレーサーたちが走り抜けていきました。

 昨夜の親子の会話を思い出しながら、坂を駆け上がっていくロードレーサーたちを眺めていた私は、「またホタルを見に来よう! 次はひとつの命の輝きに感動できる自分になっていよう」と誓ったのでした。が……

 ヒルクライムの応援から戻り、瀬美温泉の宿の玄関にある七夕飾りを見ると……

「やっぱり次は、乱舞するたくさんのホタルの光が見られますように」と祈る私は、ダメな大人_| ̄|○

(了)

2019-07-10|
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