鬼を探して……。〜北上・みちのく芸能まつり2019~

「鬼の館」で出会った“鬼”とは?

 「あの高嶺 鬼すむ誇り……」と、北上市市民憲章にも堂々と記されてあります。が、本当に鬼など、いるのでしょうか……。奇しくも、この週末は北上市で例年8月の第1金曜日から3日間開催される「北上・みちのく芸能まつり」で盛りあがっています。

 北上市は民俗芸能の宝庫と言われ、民俗芸能を伝承している団体数は日本有数。「北上・みちのく芸能まつり」ともなれば、街のあちこちで「鬼剣舞」を筆頭に100を越す民俗芸能が披露されます。

 鬼を探すのに、これほど良い日はあるでしょうか!

 というわけで8月3日(土)、まつりの2日目に私が向かったのは、北上市にある「鬼の館」。こちらは、日本はもとより世界の“鬼”の文化と触れることができるユニークなテーマ博物館です。

 8月31日(土)に大きなイベントを控えている(詳細は後日紹介します!)と聞いていましたが、この日はもちろん「北上・みちのく芸能まつり」モードで、地元・岩崎地区の鬼剣舞が披露されるとのこと。

 「鬼の館」がある岩崎地区は、鬼剣舞発祥の地とも言われており、鬼剣舞にかける情熱もひとしお。

 しかも、この日は京都、札幌、佐渡、名古屋、さらにはシドニー、シンガポールからも参加するとのこと。楽しみです!

  ちなみに、「鬼の館」の近くにはこんなモニュメントも。

  木の門には「鬼剣舞の里 岩崎」の文字。さらに石碑には「オドリハ心ヲオドラセルコトデアル」と記されています。さすが、鬼剣舞の里。
 これから鬼剣舞を見に行く私としてもも、心が躍ってきますね(私が躍るわけではないのですが(〃艸〃)ムフッ)

 いざ、会場に訪れてみると……、鬼が舞っておりました。時間は午後1時。快晴、気温35℃、厳しい日の射す猛暑のなか、優雅に、ときに荒々しく、鬼が舞っておりました。

笛を吹いている方のなかには、外人女性の姿も。鬼剣舞もインターナショナル!

 群舞「刀剣舞」、一人で舞う「一人加護」、合同公演「一番庭の狂い」と演目は続きます。うだるような暑さのなか、勇壮な舞を披露する鬼たち。これが北上の“鬼”かと半ば納得しながら、でも、暑さには耐えられず、演目の合間に、無料で提供されているという麦茶をめざして、「鬼の館」の館内へ。

無料で提供されていた麦茶。ただただ暑いこの日は、一杯のほどよく冷えた麦茶が最高のおもてなし。
“鬼”を探しにきたら、“仏”に出会った気分! 「鬼の館」のスタッフのみなさま、お心遣い、ありがとうございましたm(__)m

 さて、館内に入ると、何やら大きな“鬼”のお面と対峙している女の子が……。

  何をしているのかな、と近づいてみれば……。

 鬼の子孫!?

 しかも、ハーフ!? 海外の鬼の子かな?

 かわいい地元の女の子でした! チャンチャン

 小芝居にお付き合いいただき、ありがとうございましたm(__)m

 さて、再び、外の公演へ。

 なぜでしょう。北上の鬼は、青空が似合います。

 かっこいい!!

 しかも、そう思っているのは私だけではないようで……。

 チビッ子も鬼剣舞の勇壮な踊りに、「心ヲオドラセ」ています。「鬼の館」の近くにあった石碑に書いてある通りでした!

 舞を終えて去っていく舞い手たちを、憧れの眼差しで見つめるチビッ子の姿が印象的でした!

 このチビッ子も 将来の舞い手でしょうか。“鬼”の遺伝子はこうやって受け継がれていくのでしょう。

 この日の「鬼の館」での公演のフィナーレは、観客も一緒に踊る「一番庭」という踊り。

 最後には、“鬼”を探しにきた私の目の前、会場の至るところに“鬼”が出現。白い服を着た小さな女の子も「心ヲオドラセ」ておりました! 

おおきな木・ちいさな木の下に、やさしい“鬼”たちを発見!

 サイコーに盛りあがった「鬼の館」をあとにして、続いて私が訪れたのは、保育園を併設したグループホーム「おおきな木 ちいさな木」。

 「きたかみ仕事人図鑑」でもインタビューに、ラジオにとご活躍いただいている同グループホームの代表が、インタビューやラジオでも語っていた「夏まつり」を開催すると聞いて会場へ。

 北上市の夏のビッグイベント「北上・みちのく芸能まつり」と、盛岡市の「さんさ踊り」という岩手県の一番大きなまつりがあるこの時期に、わざわざ「夏まつり」を開催すると知って、遊びに来るヒトもいないのではないかと老婆心ながら心配で尋ねてみれば……。

 猛暑のため、みなさんテントの中や、建物の中に避難している方が多かったですが、しかし施設の前の広場には出店がいっぱい!

 かき氷、ソフトクリーム、焼きそば、タコ焼き、白いとうもろこしに生ビール、梅ジュース、地元・農家さんの野菜、工芸品などの販売、さらには輪投げ、ヨーヨー遊びなどもあり、地元のチビッ子たちも店頭に立って大活躍!

 「北上・みちのく芸能まつり」や「さんさ踊り」にも負けないぐらい(は、言い過ぎか……m(__)m)、まつりは大いに盛りあがっていました。

 これも、地元に開かれたグループホーム、地域の寺子屋にしたいという黒澤豊さんの取り組みの一環ですが、猛暑のため北上市内や盛岡のまつり会場には行けないお年寄りたちにも楽しんでもらおうという豊さんの配慮も。

 その豊さんは何処に?  と探してみれば、そこに現れたのが、“黒鬼”と“赤鬼”!(失礼)

 左は、「おおきな木 ちいさな木」のWebサイトや、大小の木をあしらったかわいらしい同施設のロゴも手掛けるデザイナーの方。そして、右は真っ赤な顔は酔っているのではなく、日焼けしたから! の豊さんの元気な姿が。このお二人は、鬼は鬼でも、やさしい“鬼”ですね。

 鬼剣舞の鬼は仏の化身のため、角がありません。鬼剣舞の鬼のお面にも角がないのは、そうした理由からですが、もちろんお二人にも角はありませんよ。念のため。

 一方、こちらにはピンクの“鬼”が、と思ったら、取材でお世話になった副施設長の戸川佳之(よしゆき)さんの元気な姿も。

 みなさん、怪しいイラストが描かれたTシャツを着ていますが、これはこのまつりのためにつくったスタッフTシャツ。

 ひょっとこ顔の豊さんをイラスト化したものですが、スタッフみんなでまつりを楽しんでいる様子が伝わってきますね。みなさま、暑いなか、お疲れさまですm(__)m

夜は、大通りを占拠した鬼の大群舞にワクワク! そこにも“鬼”が……

 そして、夜はいよいよ北上市の19の団体から構成される30組、総勢240名が、かがり火の明かりに彩られながら、日頃の鍛錬の成果を披露する壮大な大群舞が開幕!

  北上市西口の駅前から続く大通りには、続々と北上市の“鬼”たちが集結。

 大通りのアチコチで、かがり火がたかれ、風に揺れる炎が会場を幽遠な世界へと誘います。

 19の団体で構成された30組、総勢240名の舞い手たちが、それぞれの配置につきます。その堂々とした姿に、踊りへの期待も高まります。が……。

 その中に、小さな“鬼”の姿も!

 大人の鬼の舞の邪魔をしないように、ほどよい距離に間を置いて佇む2人の小さな“鬼”の姿を見て、観客からも「かわいい!」の声が。

 しかし、そういう声にもまったく動じず、大人と同じようにひざまずき、踊りの合図を待つ様子は、もはや一人前の舞い手の風格。

 さっそく、鬼剣舞の舞がスタート!

 大人の鬼の隣で、一生懸命舞う小さな“鬼”たち……。

無事、踊りを終え、

舞台を下りると、そこには親子の鬼の姿が……。

 北上の“鬼”の遺伝子は、こうして受け継がれていくのですね……。いいものを拝見させていただきました!

 8月3日(土)。「北上・みちのく芸能まつり2019」の2日目。鬼を探す旅は、勇壮な“鬼”にはじまり、かわいい “鬼” 、やさしい “鬼” 、さらにはチビッ子の “鬼” まで、いろんな “鬼” と出会うことができました!

 暑いなか、まつりを盛りあげるみなさま、踊りを舞うみなさま、お疲れさまでした。

 本日8/4は、いよいよまつりのフィナーレ。夜は北上川に明かりが灯るトロッコ流しと夜空を彩る打上花火が待っています! その花火を、北上にすむ鬼たちもビールを片手に見上げていることでしょう。

 最後に登場するのは、仕事人図鑑にもご出演いただいたネイルの鬼! 

 まつりを盛りあげようと生ビールやかき氷などを販売しながら、そのお隣では福祉ネイルの資格を取った福祉ネイリストの卵たちに活躍の場を提供しようと、「キッズネイル」のお店もオープン!

 お店はたくさんのチビッ子たちでにぎわっていました。ちなみに、こちらにネイルの鬼以外に“鬼”はおりません。あしからず。

(了)

2019-08-04|
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