チームワークがおいしさの秘訣! お客さまも働くヒトも元気になる、お総菜づくりにこだわって。

株式会社キタカミデリカ
熊谷真希(生産1係/野菜・芋処理担当)
千田宏子(盛付係/オペレーター・蓋締め・充填)
藤井達也(代表取締役社長)
林崎芳夫(野菜処理係/野菜の殺菌処理)
菊池美企子(盛付係/蓋締め専門)

みんなで協力しあって商品をキレイに仕上げる楽しさ。

「盛り付けはもちろん彩りにも気を配りながら、みんなで協力しあって最終的に1個のキレイな商品に仕上げて出荷するのが私たちの仕事。“みんなで”という部分が大変なところですが、そこが逆に面白いところでもあります」

 笑顔でそう語ってくれたのは、「株式会社キタカミデリカ」で働く千田宏子さんです。

「キタカミデリカ」では東北6県のスーパーマーケットを中心としたおよそ50社に、365日24時間体制で1日およそ7万個のサラダやお総菜を届けています。

 千田さんはその製造ラインに入り、盛付係として8年目を迎えるベテランです。「まだまだひよっこです」とご本人はおっしゃいますが、仕事の内容は多彩。容器の決められた場所に決められた素材を入れる「充填」、素材が入った商品に蓋をする「蓋締め」、蓋締めされた商品を出荷先ごとに分けて箱に詰める「オペレーター」など多岐にわたります。

「日によって、やる仕事は変わるんですが、ひとつひとつの作業に大事な役割と気をつけなければいけないことがあって、それぞれに面白さがあるので楽しいですよ。例えば、盛付(充填)の作業では、周りを汚さずに決められた場所に一発で素材を入れられると気持ちいいんですよ(笑)」(千田さん)

この日は盛付(充填)担当だった千田さん(手前)。手際よく作業を行っていました。

  ひとつひとつの作業を自分のペースでやるなら、それは簡単なことなのかもしれません。

 しかし、千田さんの場合、ベルトコンベアーで一定のスピードで流れてくる容器に次々に盛り付けしていかなければならないため、容器の周りを汚さず、しかもキレイに決められた場所に素材を入れ続けるには経験とセンスが問われます。

 加えて、自分だけが上手にできればいい、というわけにもいかないところが、この仕事の難しさ。

「誰でも得意なこと、不得意なことがあるじゃないですか。それが新人さんなら、得意・不得意の前に作業に慣れていなくて、できないこともある。この仕事はシフトによってメンバーの顔ぶれも変わるので、ときには不得意な作業をやらなければならない場合もあるし、新人さんなら最初は誰でも不安じゃないですか。そういうときに同じ仲間として、できることはフォローしてあげたい。

 例えば、スピードが速くて今ちょっと焦っているなと思ったら、その前後のヒトで遅くしたり速くしたりしてスピードを調節してあげる。ちょっと不安そうだったら『大丈夫?』と声をかけてあげる……。どんなメンバーでも、その日にやる数は決まっているので、そうやって全体に気を配りながら、みんなで協力しあって最終的に1個のキレイな商品に仕上げて、その日の数をクリアできたときは達成感があります」(千田さん)

 不得意な作業でもやらなければいけないヒト、仕事に慣れていない新人のヒト……。そういうヒトにも気を配る千田さんのあたたかい眼差しは、8年前に「キタカミデリカ」で仕事をするようになって、お世話になった先輩や「キタカミデリカ」の社員への恩返しでもあります。

「私も最初は初めての仕事で不安だったんですが、いろんな先輩に声をかけてもらって助けられたし、社員の方にも親身になってお話を聞いてもらえたんですよ。それは、仕事のことだけじゃなく、子育ての悩みも含めて……。そういうフォローがあったから、8年も続けてこられたのかなって思います」(千田さん)

 「キタカミデリカ」では、託児手当や短時間雇用、必要に応じて土日休みの固定も可能にするなど、女性も働きやすい職場づくりをめざして取り組みを続けていますが、その取り組みは働く女性たちの声に耳を傾けるところからすでに始まっていました。

「キタカミデリカ」で人気のポテトサラダですが、キュウリやニンジンの彩りのバランスも考慮してつくられているそう。

蓋締めはOKのサイン。チームワークの結晶をお客さまへ。

 一方、千田さんと同じ盛付係の菊池美企子さんは、蓋締め専門として7年のキャリアがあります。

「本当に、蓋締め以外はほとんどやったことがありません。それしかできないんですよ」と言ってアハハと笑う菊池さんですが、なぜかその仕事の重要性を熱く語るのが、ご本人よりも「キタカミデリカ」の藤井達也社長です。

「菊池さんがやっているのは、ベルトコンベアーで流れてきた容器に、ただパコンと蓋をすればいい、という仕事じゃないんですよ。

 サラダならサラダ、煮物なら煮物と、商品ごとにちゃんと具材がレシピ通りに入っているか、具材がはみ出したりしていないか、彩りのバランスはどうか、キレイに盛り付けされているかどうかをチェックして、なおかつ完成品を箱に詰めるオペレーターさんの動きをみながら商品を流すスピードも調節してあげる。

 さらに今日の仕事は何時までにこれぐらいの数をこなさないといけないから、これぐらいの速さでやらないといけないとか、全体の流れも把握して作業を進めないといけない。そういう大事な仕事なんですよ」(藤井社長)

 藤井社長の独走を、「プレッシャーかけないでくださいよ」と笑っていなす菊池さんが、いつも心がけていることがあります。それは、「盛り付けのみなさんが、時間通りに仕事を進められるように、少し早く出社して準備をすること」だそう。仕事の段取りを考え、みんなが気持ちよく仕事できるようにと配慮する心遣いに、菊池さんの人柄が現れています。

 そんな彼女に仕事の面白さを伺うと……。

「流れ作業ですから、本当にチームワークが大事なんです。そもそも、みんなのチームワークがないと、私のところまで商品が来ませんし。

 ですから、みんなで見栄えよくキレイに仕上げたものが、レシピ通りになっているか、具材がはみ出したりしていないか、異物は入ってないかを改めてチェックして蓋を締めてオペレーターさんに流すのがチームのなかでの私の仕事で、全体の流れがスムースになるようにすることが難しいところだけど、面白いところでもあります」(菊池さん)

左が菊池さん。右の方もベテラン。2人の作業はあうんの呼吸。次々商品に蓋を締めていきます。
蓋を締めながら、具材がレシピ通りに入っているか、具材がはみ出していないか、彩りのバランスはどうかをチェックする菊池さん。
蓋締めが終わった製品は、ラベルが貼られ、オペレーターさんのもとに。
オペレーターさんはラベルがきちんと貼られているかをチェックし、出荷先ごとに箱に入れ、お客さまのもとへ。

70歳で働くヒトも。ずっと働ける幸せ。

 千田さんや菊池さんが働く製造ラインに供給する野菜の殺菌処理を担当しているのが、林崎芳夫さんです。マヨネーズでお馴染みのキユーピーグループの一員である「キタカミデリカ」では、キユーピーグループ共通の原料管理システムを導入。安全・安心でおいしいお総菜づくりに取り組んでいますが、その最前線にいるのが林崎さんです。

「殺菌処理の仕事は6年以上やっています。盛り付け前のカットした野菜を殺菌するのですが、冷水を使ったり、熱湯を使ったり、温度が極端に違うので慣れるまでは大変でした。でも、ヒトの口に入る、体の中に入るものを扱っているので、責任ある仕事を任せられていると思うと、この仕事に大きなやりがいを感じています」(林崎さん)

 林崎さんは現在59歳ですが、「キタカミデリカ」では70歳の方も現場で活躍しており、そうした環境も励みになっているといいます。

「私がキタカミデリカで働くようになったのは8年前。それ以前は派遣の仕事をしていたのですが、人員整理で辞めざるを得なくて……。そのときが50歳間近で、年齢のせいもあって次の仕事が見つからない。働きたくても働ける場所がないという、本当に厳しい時代でした。でも、キタカミデリカでは、いい意味で一年中忙しく働ける(笑) 

 しかも、70歳で働いている方もいて、その年齢まで働ける企業ってなかなかないと思います。私も何歳まで働けるかわかりませんが、体の続く限りはここでお世話になりたいと思っています」(林崎さん)

 林崎さんは遠野市から車で1時間かけて通っています。家には85歳のお母さんがいて、その面倒も見なければならないため、会社で行われる慰労会や社内旅行にもなかなか参加できないのが残念とのこと。それでも、やはり忙しく働けることが何よりの喜びだと語ります。

 そんな林崎さんの趣味は、「洗濯」。「殺菌処理」のお仕事も、ひょっとしたら天職なのかもしれません。

繁忙期も一致団結して乗り切る。それがキタカミデリカ。

 熊谷真希さんは高校卒業後、「キタカミデリカ」に入社して3年目。現在は各地の生産地から届けられた野菜や芋を洗浄し、商品ごとにカットするなど下処理の仕事をしています。

「毎日朝4時、忙しいときは朝3時に出社するときもあるので、それが大変といえば大変ですね」(熊谷さん)

 しかし、任せられている仕事の重要性も認識しており、そこにやりがいも。熊谷さんの仕事は、「キタカミデリカ」の一日の作業の始まりとしてだけでなく、食品を扱う企業として異物混入のリスクを未然に防ぐためにも重要や役割を担っています。

「各地の生産地から入荷した野菜や芋の状態をチェックして素材の良し悪しを見たり、野菜や芋を洗浄機にかけて葉っぱに巻き込まれた石や虫、異物などを取り除くのも私の大切な仕事です。商品に芋の皮が入っているだけで気にされるお客さまもいらっしゃるので、そこはこだわってやっています」(熊谷さん)

 朝早くから、気も遣う仕事でもあり、職場の雰囲気もピリピリしていそうですが……。

「和気あいあいとした雰囲気で、みんなの仲もいいんですよ。とくに繁忙期は、これからのクリスマスシーズンもそうですけど、現場のヒトが足りなくなると事務のヒトもみんなスタッフ総出で『やるぞ!』という感じで乗り切っています。そういう風にみんなで一致団結して取り組めるところが、キタカミデリカの良さだと思います」(熊谷さん)

水洗いしたあとのリーフに異物が混入していないか、目視でチェックする熊谷さん。奥は、林崎さん。

 もともと料理が好きで、食品関係の仕事をしたいと「キタカミデリカ」に入社した熊谷さん。いずれは食品開発の仕事もしてみたいという夢があります。

「でも、まずは今の仕事をがんばることが大事だと思います。今の仕事も、いろんな野菜の名前を覚えられるし、旬の野菜のこと、素材の良し悪しなどの見方もわかるようになるので、とても勉強になります」(熊谷さん)

 どうすれば、熊谷さんの夢は叶えられますか? と藤井社長に伺うと……。

「一番大事なのは本人の熱意です。でも、それもまずは現場をきちんと知っていることが大事で、最終的にはそれが一番の強みになると思います」(藤井社長)

 キユーピーグループの一員である「キタカミデリカ」では、グループ研修制度の活用や外部セミナーへの参加、社内勉強会(年5回)、資格報奨制度、グループ内の他工場への見学などにもチカラを入れ、人材育成に努めています。熊谷さんの夢も熱意次第では……。

チェック後のリーフは、緑色も鮮やかでした。

自分たちがつくる商品が自慢。仕事が誇り。

 今回は「キタカミデリカ」で働く4人の方にお話を伺いましたが、みなさんに共通しているのが、自分の仕事に誇りを持ち、自分たちが心をこめてつくった商品を愛していること。

 スーパーに行ったとき、自分たちがつくった商品の前に立つお客さんを見ると、「キタカミデリカの商品を選びますように」と念じてしまうと語るのは、林崎さんと熊谷さん。実際に買ってもらったのを見ると、「ニヤニヤしちゃう」と熊谷さんはさらに言葉を続けます。

 千田さんの場合は、“キレイに商品を仕上げる”ことにこだわりを持って、仕事を楽しんでやっている様子が家族にも伝わっているのでしょう。

「最近、キタカミデリカの商品がドラッグストアにも置かれるようになったんですが、それを知って、ふだんは私に興味もなさそうな17歳の息子が『学校の近くのドラッグストアにも置いてあったよ』と教えてくれるんですよ。

 主人は沿岸の方に出張に行っているんですけど、そこにも『あったよ』とか教えてくれる。そうやって家族が気にかけてくれているのを知るとうれしくて、もっとキレイに仕上げようと思っちゃいます(笑)」(千田さん)

 菊池さんの息子さんは一昨年、高校を卒業して現在は千葉県にある会社に就職しています。そんな息子さんが高校3年生のとき、「キタカミデリカ」の繁忙期に一週間ほど手伝いにきてくれたそう。

「仕事やってみる? って聞いたら、『いいよ』って言ってくれたので……。まさか自分の職場で息子と一緒に仕事ができると思っていなかったので、すごく楽しかったです。そういう機会をつくっていただいたキタカミデリカには感謝しています」と菊池さんが語れば、

「自分が働いている会社に息子さんを連れてきてくれるって、会社としてもすごくうれしかったですよ」と藤井社長も答えます。

 自分たちがつくる商品を愛し、自分の仕事にこだわりを持って取り組み、好きな職場で息子と働けてうれしいと語る従業員がいて、その様子に目を細める社長がいる……。

 「キタカミデリカ」では、お客さまの“元気のもと”になる安全・安心でおいしいお惣菜づくりに日々取り組んでいますが、元気になるのはお客さまだけでなく、従業員ひとりひとりもそうでした。

 これからクリスマスシーズン。「キタカミデリカ」は繁忙期を迎えますが、224名(男性70名・女性154名/2018年11月現在)の従業員とともに、一致団結して乗り切ってくれることでしょう。

「キタカミデリカ」ではおよそ300種のサラダ・総菜をつくり、東北6県のスーパーマーケットなどに届けています。
左から熊谷さん、林崎さん、藤井社長、千田さん、菊池さん。

キタカミデリカの求人!

「キタカミデリカ」では、新卒、パート・アルバイトなど一緒に働いてくれる方を随時募集しています。興味のある方は、こちらへ!

(了)

株式会社キタカミデリカ

岩手県北上市相去町大松沢1-89
Tel/0197-67-3903

2019-03-12|
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