最近よく目にする「いわて飲食店安心認証制度」とは? 岩手県庁の担当者さんに聞いてみた!

認証マークが「信頼」の証。
安全・安心のためにがんばっている飲食店さんを応援!

 「いわて飲食店安心認証制度」をご存じですか?

 最近、テレビCMやラジオCMなどにも登場。飲食店に行くと、以下のチラシやマークを見かけることも少しずつ増えているような……。

▲「いわて飲食店安心認証制度」を紹介するチラシ。
▲「いわて飲食店安心認証」を受けた飲食店に交付される認証マーク。

 このマークがある飲食店は、県が定める28項目のコロナ対策を実践し、県が委託した業者による現地調査ですべての項目が基準を満たしていると認められたお店だそう。

 しかも、この認証制度は6月28日から申請がスタートしていますが、8月2日からはじまった「Go To Eatキャンペーン第2弾」の対象店舗もこの認証を受けている必要があるとのこと。5,000円分の食事券を4,000円で購入でき、対象店舗で使えるというお得なこのキャンペーンですが、認証の申請からキャンペーン開始まで1ヵ月弱。タイトなスケジュールの中での実施には、どんな狙いや想いが込められているのでしょうか?

 興味を持った筆者は、さっそく盛岡市にある岩手県庁へ。

 向かった先は、「いわて飲食店安心認証制度」を所管する岩手県環境生活部 県民くらしの安全課。

 そこで出迎えてくださったのは、「いわて飲食店安心認証制度」を担当する同課の生活衛生担当課長・菊池恭志(きくち たかし)さんです。

岩手県環境生活部 県民くらしの安全課
生活衛生担当課長
菊池恭志(きくち たかし)さん

 ちなみに、今回対応してくださった「県民くらしの安全課」とは、食の安全安心、生活衛生、生活安全、消費生活など、県民のみなさんの生活に身近な課題について、県民の視点に立って総合的な施策を推進しているところだそう。

 なるほど。要するに、県民のくらしの安全を守る課ですね(そのまんまで、すいません<(_ _)>)

 それでは、ここからインタビュー形式で「いわて飲食店安心認証制度」についてお伺いしていきましょう!

感染が全国にひろがる危機感に、国が動いた。

Q :「いわて飲食店安心認証制度」が生まれた背景は?

 新型コロナウイルスの感染防止対策については、令和2年度からそれぞれの業界団体が「感染拡大予防ガイドライン」というものを策定し、自主的に感染対策に取り組んでいただいており、県はその取り組みが進むよう支援してきました。

 そうした中で国においては全国的に感染が収束しないため、感染対策を強化すべく令和3年4月、飲食店における第三者認証制度の導入を各都道府県に働きかけたところです。

 第三者認証制度は、昨年から山梨県が取り組んでおり、感染拡大の防止に一定の成果があるということで、制度のモデルとされました。

Q :「28」のチェック項目は、どのように設定したのですか?

 国が示したチェック項目については、必ず取り組んで欲しい項目4つを含め、全部で「42」あります。それを参考に、どのようなチェック項目を設定するかは都道府県ごとの検討とされ、岩手県では専門家の方や飲食店の方のご意見なども取り入れ「28」としました。このなかには岩手県独自の項目として2つほど加えています。

Q :岩手県独自のチェック項目とは?

 「カラオケの利用の仕方」と「来店者名簿の作成」です。「カラオケ」については全国的にも、また県内でも感染事例がありましたので加えました。

 また、「来店者名簿の作成」については、感染拡大の防止の観点から加えました。この認証を受けたからといって100%感染が防げるわけではありません。そこで大事になるのが、もし万が一感染が起こったときに、いかに速やかに感染の拡大を防ぐか。

 現状では、保健所で「積極的疫学調査」(陽性患者の発症日から2週間前の行動歴<いつ、どこで、誰と、どのように接触したか>を調査し、感染源の探索、濃厚接触者の特定や検査を実施)を行って、濃厚接触者の確認ができたら、連絡してPCR検査を受けていただくという流れになります。

 このとき連絡先がわかればすぐ対処できますが、それがわからないと範囲も定まらず、感染がひろがる可能性があります。

 しかし、「来店者名簿」さえあれば、すぐ動けるという利点があります。飲食店をご利用されるお客さまにはちょっとご負担になってしまいますが、万が一とその先の対応を考えて岩手県では新たに加えさせていただきました。

安心のマークが、「信頼」の証に。

Q :飲食店さんの反応は?

 申請・運用がスタートしてまだ1ヵ月弱ですが、この認証マークを見て「感染対策をしっかりやっているんですね」というような声をお客さまからいただいたり、それこそ名簿に名前を記入していただくときも、「逆にこういうことをお願いされた方が安心する」と言っていただいたりというようなことは、飲食店さんから聞いています。

Q:飲食店を利用するお客さまの安心にもつながっているわけですね。

 そうなることを願っていますし、そう思っていただけたらうれしいですね。そういう意味でも飲食店さんだけでなく、ひろく県民の方にもこの認証制度を知っていただいて、飲食店を安全・安心に利用するための目安としていただけたらと思っています。

 ただ、現時点ではまず飲食店さんに認証を取っていただくことに力点を置いて取り組んでいるところです。

Q :対象となる飲食店さんにはどのようなアプローチを?

 県内に対象となる飲食店が9,000ほどありますが、県としてもできるだけ多くの飲食店さんにこの認証制度を活用していただきたいと思っていますので、スタート時に対象となる全飲食店さんに認証基準のチェックシートや返信用封筒も含め申請に関する書類一式をお送りしています。申請を出す場合は投函するだけで費用もかからないようにしていますし、Webサイトからも申請できるようになっています。

飲食店さんだけでなく、“みんなで”という意識へ。

Q:認証を受けると、8月2日スタートの「Go To Eatキャンペーン第2弾」の対象店舗になるというメリットも大きいですよね。

 感染対策と社会経済活動の維持を図るためにも、安心して飲食店をご利用いただける環境を整えることと、飲食店の利用促進を同時に行っていくことが大事だと思っています。

 また、感染対策も飲食店さんだけにがんばっていただくのではなく、飲食店を利用される方にも協力していただくことが大事だと思っています。

 例えば「28」の認証基準の中には、実際に飲食店に来店されるお客さまにお願いする感染対策もあります。「マスク会食」や「手指消毒」、「お酌や回し飲み、スプーンや箸などの食器の共有や使い回しは避ける」「トイレの使い方」などがそれで、飲食店さんのがんばりとともに、飲食店に来店されるお客さまも気をつけていただいて、お互いの取り組みの相乗効果で感染拡大を防止しようという狙いがあります。

Q:なるほど。コロナに負けず、社会経済活動を回していくためには、飲食店を利用されるお客さまも気をつけて、みんなで一緒に感染拡大を防止していこうという意識が大事なんですね

 そうですね。ワクチン接種後もまだまだwithコロナの時代が続くと思います。そのなかで飲食店さん側だけでなく、利用されるお客さまも、みんなで一緒に感染対策を実施しながら日常の暮らしを営んでいくという意識がないと、逆に防げないのではないかというところもあります。

 今回の「いわて飲食店安心認証制度」の取り組みを通して、飲食店さんだけではなく、県民全体で感染対策に対する意識を高めていくというところにもつながっていけば、と思っています。

 以上。今回は「いわて飲食店安心認証制度」について、県庁の担当者さんからお話をお伺いしました。

 岩手県環境生活部 県民くらしの安全課 生活衛生担当課長 菊池恭志(きくち たかし)さん、お忙しいなかお時間をいただき、ありがとうございました。

 8月2日からは、5,000円分の食事券を4,000円で購入でき、認証店(一部店舗を除く)でお得に使える「Go To Eatキャンペーン第2弾」もスタート。

 安全・安心のためにがんばっている飲食店さんの応援のためにも、ぜひこのキャンペーンに参加しようと思ったインタビューでした。改めて、ありがとうございました。

◇「いわて飲食店安心認証制度」の詳細はこちら! ⇨ いわて飲食店安心認証制度

◇「いわて飲食店安心認証店」の検索はこちら! ⇨ いわて飲食店安心認証店の検索

◇「Go To Eatキャンペーン第2弾」の詳細はこちら! ⇨ いわての食応援プロジェクト

(了)

2021-08-07|
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