2歳から4歳へ。絵という表現を通して、子どもの成長を見つめる展覧会、開催中!

2歳の子どもたちが出会った“表現”の世界とは?

 その作品たちと出会ったのは2年前。

 きっかけは、2歳の子どもたちが楽しそうにお絵描きしている様子を見た2人のお母さんたちのひらめき。

 「上手に描こう」とか「ヒトに褒められたい」とか、そんな欲望も計算もなく、ただ純粋に“描く”ことを楽しんでいる子どもたちの自由奔放な絵を見て、その「ステキな“作品”たちを飾ってみよう!」という思いつきからでした。

 そうして実現したのが、「OUR DRAWINGS 」と題した展覧会。

▲2歳の子どもたちの作品を紹介した2年前の展覧会「OUR DRAWINGS 」の様子。

▲「OUR DRAWINGS 」のパンフレットより。

 そこに飾られていたのは、大人になったら戻れない、子どもならではの絵の世界。

 1枚1枚の絵にはとくに意味もなく、何かの狙いが隠されているわけでもありません。しかし、勢いよく伸びる1本の線の動きに夢中になったり、紙の上にひろがる色の混ざり合いやカスレを面白がったり……、そこには表現する楽しさに出会った子どもたちのワクワクやドキドキがありました。

それから2年……。4歳になった子どもたちの“表現”の世界とは?

 「4 Yuuna and Minato」と題した展覧会が開催されているのは、前回同様、北上市さくら通りの住宅街の一角にある「NAKAJIMA ART SPACE」(ナカジマ アート スペース)です。

 白い無機質な壁が印象的な空間に足を踏み入れると、出迎えてくれたのはキレイに額装された子どもたちの作品の数々。

 前回の展覧会「OUR DRAWINGS 」から2年が経ち、2歳から4歳になった子どもたちの絵は……。

「前回同様、今回も子どもたちには何の制約もなく、ときにはケンカしたり仲直りしたりしながら(笑)、自由に描いてもらいました。

 ただ前回と違うのは、前回は子どもたちが描いた絵があって、それが良かったので『では飾ろう』という流れでした。でも今回は、それから2年が経って子どもたちにどういう変化があるのかを見てみたいと思って、最初から展覧会を開く前提でスタートしたんですよ」

 そう語るのは、書家であり現代アート作家としても活動する中嶋敏生さんです。中嶋さんは自身や仲間の作品を展示する場をつくろうと、2019年2月に自宅の1階に私設のアートギャラリー「NAKAJIMA ART SPACE」をオープン。

 以来、書道教室や学習塾としても活用しながら、現代アートを中心としたさまざまな展覧会の企画やコーディネートをしています。

※中嶋さんの取り組みは、仕事人図鑑でも紹介。詳細はこちら! ⇒ 仕事人図鑑

絵を通して子どもたちの成長を見守り、記録する。

 もちろん2年前の「OUR DRAWINGS 」に続き、今回の展覧会も中嶋さんが企画・コーディネートしたもの。

▲書家であり現代アート作家としても活動する中嶋さん。

「保育園や学校で描いた絵を展示することはよくあると思いますが、遊びで描いた子どもたちの日常の絵を展示してじっくり見ることってなかなかないですよね。

 2年前に展覧会を開いてみて、常識にとらわれず自由に描く子どもたちの絵を見るのは楽しかったですし、刺激にもなりました。

 それから2年後、子どもたちの絵がどう変化しているのか……。ある意味、実験でもあるのですが、成長の定点観測というか、絵を通して子どもたちの成長を見守っていくのも面白いなあと思ったんです」

 今回の展覧会を企画した意図について、中嶋さんはそう語ってくれました。

▲ギャラリーに飾れなかった作品もファイルで見られるように配慮。1枚1枚眺めながら、絵を描く子どもたちの様子なども交えて絵の魅力を語ってくれた中嶋さん。

 中嶋さんのお話に耳を傾けながら、改めて4歳の子どもたちが描いた作品を見ていくと、2年前から変化が……。

 語彙力が増えて、よく目にする言葉を書いてみたり、ある意図を持って何かを描いてみたり、誰かのために描いてみたり……。もちろん周りの大人が指図したわけではなく、自分の考えで明確な意図を持って表現している作品が増えていること。

 そこには表現する楽しみはもちろんですが、誰かを喜ばせたい、楽しませたいという想いが表れてきているようにも感じられます。

▲野菜や果物とコーヒーをモチーフにしたもの。

▲こちらは「迷路」をつくろうとチャレンジした意欲作!

▲ゆうなくんからみなとくんへの「手紙」だという作品。

▲大好きなオムライスに「お母さん」の顔を描いた作品も。

 絵という表現を通して子どもたちの成長を見つめる今回のユニークな取り組み。眺めているだけで、ほのぼのしてくるのは、楽しみながら描いている子どもたちの姿が想像できるからでしょう。

「いろんな子どもたちの作品を展示できたら面白いだろうな、と思うんですよね」

 白い無機質な壁にキレイに額装された4歳の子どもたちの自由奔放な作品を眺めながら、展覧会のコーディネートもする中嶋さんの夢もひろがります。

 こちらの展覧会「4 Yuuna and Minato」は、2月23日(火・祝)まで。日常の遊びからひろがる自由な子どもたちの表現の世界にほのぼのする時間、この機会にいかがでしょう。

(了)

企画展「4 Yuuna and Minato」

期間/2021年2月11日(木・祝)~2月23日(火・祝)【完全予約制】

会場/NAKAJIMA ART SPACE(岩手県北上市さくら通り5-10-10) 

予約/090-5238-7354

★展覧会の企画・コーディネートのご相談も受付中! 詳細はこちら! ⇒ NAKAJIMA ART SPACE

★書道教室・学習塾の詳細はこちら! ⇒ 書道教室・学習塾

2021-02-19|
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