「マンガ家になりたい!」と 元気に叫んだ女の子にも届け! 北上市出身・在住のマンガ家たち。

 10月6日(日)、北上市内にある鬼のテーマ博物館「鬼の館」で行われた「北上会鬼祭(あきまつり)」のメインイベント「鬼の叫びコンテスト」で、「マンガ家になりたいです!」と元気な声で叫んだかわいい女の子がいました。

 「その夢が叶ったらいいな」と思いながら北上市立中央図書館に行ったら、びっくり!  なんとそこで開催されていたのが、北上市出身・在住のマンガ家さんたちの作品とともに、貴重な複製原画やスケッチなど約200点を集めた「北上×マンガ展」。

 会場には、北上市を代表する民俗芸能「鬼剣舞」をテーマにした作品を手掛けるお二方の作品も含め、総勢10名のマンガ家さんたちの作品が勢ぞろい。

 しかも、その作品は北上市立図書館に収蔵されているもので、その場で手に取って読むこともOK!(ゆっくり読めるソファもあります!)

 さらに今回の展示会は10月13日(日)までの開催ですが、これらのマンガは展示会終了後でも、カウンターに言えば館内でのみ閲覧もできるそう!  それは、うれしい!

 さて、「マンガ家になりたい!」という夢に挑み、叶えた北上市出身・在住のマンガ家さんとは?

「ドラゴン桜」が大ヒット! 映画も話題に!

 お一人目は、「ドラゴン桜」で有名な三田紀房さん。今年の春には、「アルキメデスの大戦」も映画化され、話題を集めました。

  さらに三田さんはマンガだけでなくビジネス書も出版しており、そちらも図書館に収蔵されています。マンガの次は、ビジネス書もぜひ!  詳細は司書さんにお問い合わせください。

仮面ライダーのかっこいい怪人たちのデザインも!

 お二人目は、イラストレーターとしても活躍する麻宮騎亜(きあ)さん。代表作は「週刊プレイボーイ」に連載した「彼女のカレラ」。

 北東北最大のクラシックカーフェスタ「ツール・ド・みちのく」のイラスト、さらには「仮面ライダー フォーゼ」に登場した高貴な怪人たちのデザインワークなども騎亜さんの手によるものです。

2011年に放送された「仮面ライダー フォーゼ」の怪人たちは、そのデザイン性の高さから、悪役としては珍しいフィギアやTシャツもつくられ、
さらにはデザインブックスとして1冊の本にもなるほどの人気に。

人気マンガ週刊誌・ビッグコミックスピリッツでも好評連載中!

 3人目は、人気マンガ週刊誌・ビッグコミックスピリッツに「警眼-ケイガン-」を連載、現在売り出し中の早坂ガブさん。同マンガは人気も高く、スピリッツのNO.44(2019年10月14日号)では雑誌のセンターにカラーページで登場。

早坂ガブさんの人気作品「刑眼-けいがん-」が連載されているマンガ週刊誌。

 プチ情報によると、北上市中央図書館の隣にある「詩歌文学館での散歩が好き」とのこと。マンガのアイデアが、詩歌文学館から生まれた可能性も……。

ふつうの女子高生が高額美術品飛び交う欲深きオークションの世界に……。
緻密なストーリー構成で描くミステリアスストーリー「真贋オークショニア」も早坂さんの作品。

二子地区の人気古民家カフェや、二子さといもも!

 次に登場するSONNO(ソンノ)は、原作担当のみやおさんと作画担当の夏芽ももさんのユニットで、原作担当のみやおさんが北上市出身です。

 さらに、代表作となる「里山ごちそうスケッチ」で主人公が住む家のモデルとなったのが、北上市の二子地区にある「古民家cafeほっこり」。作中には、同地区名産の二子さといもも登場! マンガの舞台は岩手県の架空の村だそうですが、そこには北上愛が……。

「里山ごちそうスケッチ」は、おいしい食材をかわいい女の子に擬人化しながらごはんをつくるというストーリー。
さて、どのように料理ができあがるのか……。それは、ご自身の目で!

時代劇のマンガで勝負! 岩手県のWebサイトの挿絵も担当!

 昼は団子屋の看板娘・お花。夜は、父の仇を討つべく戦うくノ一……。代表作「裏宗家四代目服部半蔵花録」をはじめ、時代劇のマンガで勝負する かねた丸さん。

 岩手県のWebサイト「義経北行伝説ドライブガイド  義経は北へ」の挿絵も好評です。

週末マンガ家」として北上市で活動。展勝地のゆるキャラも!

 ゆうしようさんは東京でマンガ家として活躍。2016年、結婚を機に地元・北上市にUターンし、現在は一般の会社で働きながら、プライベートな時間を利用して作品を創り続ける「週末マンガ家」です。

 岩手の若手マンガ家の作品を集めた「いわてマガジン」や、岩手の魅力をマンガで伝える「コミックいわてエイト」などで作品を発表中! さくらの名所・北上展勝地のある立花地区のゆるキャラ「てんしょうちん」も、ゆうしようさんが手掛けました。

北上展勝地のある立花地区のゆるキャラ「てんしょうちん」は、展勝地から幸せを運ぶ桜の妖精。いつもニコニコ、
パッチリおめめのかわいい女の子です。
JR北上駅の西口の改札や、北上市内にあるエンターテイメントスポット「アメリカンワールド」の観覧車なども、ステキなマンガの舞台に。

大学時代に賞を受賞。自治体や企業向けのマンガやイラストを制作!

 髙橋玲香さんも北上市在住。大学4年時に「別マ マンガグランプリ ザ☆デビュー」で準グランプリを受賞し、マンガ家デビュー。その後、「マーガレット」系列の雑誌を中心に活動。4年ほど前にUターンし、現在は自治体や企業からの依頼を受けて、マンガやイラストを描いている方です。

 ちなみに、北上市立図書館の読書通帳のイラストも髙橋さんが手掛けました。図書館の隣にある詩歌の森公園で本を読む子どもたちの様子がイキイキと描かれています。

伝説のマンガ雑誌「ガロ」でデビュー! キャラクターグッズも人気!

 鴨沢祐仁さんは2008年に亡くなられた方ですが、北上市出身です。1975年に伝説のマンガ雑誌「ガロ」にて、「クシー君の発明」でマンガ家デビュー。

 広告や雑誌のイラストレーターとしても活躍しており、鴨沢さんのイラストが大好きだという玩具コレクター・北原照久さんプロデュースによるキャラクターグッズも人気を集めました。

「鬼剣舞」をテーマにしたマンガも登場

 続いて紹介するお二人は、北上市出身でも在住の方でもありませんが、民俗芸能が盛んな北上市を代表する「鬼剣舞」をテーマにしたマンガを手掛けた方々。

 竜宮ツカサさんは、岩手県公式マンガサイト「コミックいわてWEB」で「北上の鬼は踊りて語る」を執筆。同サイトで無料配信中です! パパの転勤で北上市に引っ越してきた小学1年の女の子。彼女は、そこでたくさんの“鬼”たちと遭遇。大切なパパを守ろうと立ち上がりますが……。代表作の「創傷イモータルフラワー」も好評です。

 「鬼踊れ!!」というマンガは、篠原ウミハルさんが「北上・みちのく芸能まつり」に参加したのがきっかけで誕生。

 民俗芸能の宝庫と言われる北上市で例年8月の第1金曜から3日間にわたって開催される同まつりは、街のあちこちで100を超える民族芸能が披露されます。 なかでも、200名を超える踊り手たちがかがり火の前で舞い踊る「鬼剣舞」は圧巻。

 篠原さんは、古くからその伝統を受け継ぐ岩崎鬼剣舞保存会や、鬼のテーマ博物館「鬼の館」などにも足を運び、取材を重ね、細やかな舞の動作や衣装も細部まで表現しています。

 そんな篠原さんが描ききった「鬼踊れ!!」は、民俗芸能を愛する女子高生と個性的な仲間たちが繰り広げる青春ストーリー。感動の最終巻は必見です!

  以上、北上市出身・在住、あるいは北上市とゆかりのあるマンガ家さんたちの紹介でした。

 今回、展示されているマンガは、北上市立図書館に収蔵されているため、興味のある方は展示会終了後でもカウンターへお問い合わせください。館内でゆっくり読むことができます。

 ぜひ、この機会に、北上市にゆかりのあるマンガ家さんたちの作品をご覧になってみてはいかがでしょう。

 そして、「マンガ家になりたいです!」と元気に叫んだ女の子も、いつかここで紹介される日が……。

 がんばれ、未来のマンガ家さん!

(了)

令和元年度 北上市立図書館収蔵資料展

「北上×マンガ展」

開催日時/2019年10月8日(火)~13日(日)9:00~17:00

会場/北上市立中央図書館 会議室 

Tel/0197-63-3359

※展示されているマンガ本は、北上市立図書館に収蔵されています。読みたい方は展示会終了後も、カウンターへお問い合わせください。館内でお読みいただけます。

北上市中央立図書館

岩手県北上市本石町2-5-35

Tel/0197-63-3359

開館時間/火〜木 9:00~19:00

       土・日・祝日 9:00~18:00 

休館日/月曜日(祝日の場合は翌日)

2019-10-12|
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