9/26 黒沢尻北高校1年生 企業見学会リポート

大学卒業後は「地元企業で働きたい!」
そんな未来に種まく企業見学会!

 去る9月26日(火)、黒沢尻北高等学校1年生を対象とした企業見学会が開催されました。

 当日は1年生(226名)が8つのグループに分かれ、地元・北上市内にある12の企業をそれぞれ3企業ずつ見学しましたが、そんな同校はほとんどの生徒が進学し、高校卒業後は地元・北上市を離れます。

 この見学会を主催した岩手県南広域振興局では、そんな生徒一人ひとりに地元企業の魅力を知ってもらうため、それぞれの企業の取り組みや職場の雰囲気がその目で実感できる企業見学会を企画。北上市を離れ、大学や専門学校などに進学した生徒が、将来就職を考える際に地元にも素晴らしい企業があることを思い出し、「地元企業で働きたい!」と思ってもらえるような未来につなげていくことが、この企業見学会の目的です。

 そこで今回は、高校1年生のみなさんが体験した企業見学会に同行してみました。北上市には、どんな企業があるのでしょう?

自動車のエンジン機器やブレーキ製品はお任せ。
高品質で魅力あふれる製品を世界へ。

日立Astemoハイキャスト株式会社

岩手県北上市和賀町後藤2-106-145
Tel:0197-71-7211

 最初に訪れたのは、1985年に北上市に設立された「日立Astemoハイキャスト株式会社」です。同社は、自動車や二輪車の部品メーカーとしてグローバルに展開する「日立Astemoグループ」の中で、ダイカスト(アルミニウムを金型に圧入してつくる鋳物)商品のマザー工場として中心的な役割を担っており、お客さまの多様なニーズをカタチにする高品質な製品を世界中のメーカーに届けています。

 工場見学ではそのものづくりの現場を、同校出身で県内の大学を卒業後同社に入社し、現在は製造部で活躍する小野寺さんの案内でめぐりました。同社が手掛ける製品は、自動車用エンジン機器やパワーステアリング、衝突安全装置、電動自動車用インバータなどの他、オイルポンプ、ウォーターポンプなどの加工組立部品も製造しており、金型設計からダイカスト鋳造、さらに加工・組立までを一貫して対応できる高い技術力が強みです。

 そこから生まれる高品質な製品が世界のメーカーに供給され、高い信頼を得ているとのこと。生徒のみなさんも、世界のモーターシーンを支えるそのものづくりの様子を熱心に見ていました。

 また、同社が所属する「日立Astemoグループ」は、Vリーグで活躍する「日立Astemoリヴァーレ」や、国内最高峰の自動車レースのひとつであるSUPER GTに参戦するレーシングチームもサポート。それらにかかわるイベントにも参加できるなどの話題には、北上市にもそういった企業があるのかという驚きがひろがり、特にバレー部に所属している生徒さんが興味深々の様子でした。

 その一方で、社食で食べられるランチが驚くほど安く、選べる定食でもワンコイン以下で食べられるという話題は生徒さんよりむしろ周りの大人がびっくりするなど、さまざまな発見のある企業見学となりました。

一枚の鉄板から完成品まで仕上げる。
お米に関わる機械を製造する農家さんの強い味方。

サタケ東北株式会社

岩手県北上市川岸1-16-1
Tel: 0197-64-1111

 続いて訪れたのは、1968年に北上市に設立された「サタケ東北株式会社」です。電車や新幹線で北上市にやってくると車窓から見える「サ」「タ」「ケ」という大きな看板でもお馴染みです。

 同社は籾の乾燥機・籾摺機・光選別機などといった、お米に関わる調整加工機械の総合メーカー「株式会社サタケ」のグループ企業として、国内向けの調整加工機械の製造のすべてを担い、部品加工から組立までを一貫して行っているのが特徴のものづくり企業です。

 「一枚の鉄板から完成品まで仕上げる企業だということを覚えていただければ」と同社の担当者さんも誇らしく語る通り、「サタケ東北」の工場では一枚の鉄板から完成品が仕上がるまで、ものづくりのさまざまな工程に携わることができ、自分に合った作業を見つけることができるのも魅力だそう。今回の工場見学ではその工程を、順を追って見ることができました。

 この日は「籾摺機」の工程を見学しましたが、一番驚いたのが若い女性が多いこと。

 一枚の鉄板から完成品を仕上げるまでには、鉄板の加工(切削/プレス)・溶接・塗装・組立・検査・試運転と、さまざまな工程があります。そのさまざまな工程で多くの女性たちが働いている様子を見ることができました。同社では男性およそ200名に対して、女性は60名を超えるそう。

 ものづくりの現場というとまだまだ男性中心のイメージでしたが、「サタケ東北」では女性も現場の第一線で多く活躍しており、見学に訪れた生徒さんたちもその多さにびっくりしていました。ちなみに働いているヒトたちは女性も含め、文系出身の方も多いそう。それも新たな発見でした。

 今回はメンテナンス中のため見学できませんでしたが、同社には完成品などを展示した「ショールーム」もあり、一般の工場見学も受け入れています。興味のある方は、そちらもどうぞ。

  以上、9月26日(火)に開催された黒沢尻北高等学校1年生の企業見学会のリポートでした。

大学卒業後は地元企業へ。そんな未来へ。

 今回はこの記事でご紹介した「日立Astemoハイキャスト株式会社」「サタケ東北株式会社」の他にも10社の企業で見学会が行われました。以下にご紹介します。(あいうえお順)

●株式会社 小田島組

●キオクシア岩手株式会社

●ケミコン東日本株式会社

シチズン時計マニュファクチャリング株式会社

●ジャパンマテリアル株式会社

●千田工業株式会社

●TDKエレクトロニクスファクトリーズ株式会社

●トヨタ紡織東北株式会社

●株式会社ベスト

●北良株式会社

 黒沢尻北高等学校1年生(226名)が8つのグループに分かれ、市内12の企業をそれぞれ3企業ずつ見学した今回の企業見学会。まだ高校1年生ということで「自分が将来どんな仕事をやりたいのか」ということもピンとこない時期かもしれません。それでもこの経験がいつか……。将来、北上市を離れ大学や専門学校を経て就職先を選ぶとき、「地元にも良い企業があった」と思い出していただけたら、うれしいですね!

 今回参加されたみなさま、お疲れさまでした。

(了)

2023-10-10|
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