来年10月、北上市で稼働! 鋼材販売・加工大手「アイ・テック」のものづくりとは?

高校生の工場見学に同行。
東北最大級の鋼材供給拠点・相馬工場へ。

 住宅や車庫、倉庫、商業施設、オフィスビル、工場、競技場……。私たちの身の周りにある多くの建築物に鋼材が使用されています。

 そんな鋼材の販売・加工を手掛け、今年(2023年8月)創業100年を迎えた「株式会社 アイ・テック」の北上工場が、2024年10月から稼働を開始します。

 それに向けて、高校3年生を対象にした工場見学会が7月末に開催されました。とはいえ北上工場は建設中のため、見学先として向かったのは福島県にあるアイ・テック相馬工場です。

 

▲相馬港に面するアイ・テック相馬工場は、東北最大級の鋼材供給拠点として2018年6月に操業。

 メーカーから仕入れた鋼材をお客さまのニーズに合わせて加工し、全国3,000社に安定供給している同社において、相馬工場は東北最大級の鋼材供給拠点として主に東北エリアのお客さまに多種多様な鋼材を届ける重要な役割を担っています。

 来年10月に稼働を開始する北上工場は、この相馬工場と連携しながら北東北のお客さまの多様なニーズにタイムリーに応え、アイ・テックとして東北エリアのシェアNo.1をめざしているそう。

 新しく誕生する北上工場は、この相馬工場のノウハウを継承しており、そうした面でも高校生のみなさんの参考になるのでは、ということで今回の工場見学会が企画されたのでした。

 さて、東北エリアの鋼材流通を支える相馬工場で行われている最先端のものづくりとは?

▲工場見学の前に、アイ・テック相馬工場の向かいにある「相馬市伝承鎮魂祈念館」を訪問。東日本大震災では相馬市も被災し、458名の方が犠牲に。

▲いざ、アイ・テック相馬工場の見学ツアーに出発!

「自動化」と「機械化」で働くヒトの作業負荷を大幅に軽減。

 相馬工場に入ってまず驚いたのが働いているヒトの少なさです。

 東北最大級の規模を誇る相馬工場では5,000トン級の大型船舶が寄港できる岸壁を備えており、船から下ろされた鋼材を工場内へ搬入。さらにその鋼材はお客さまのニーズに合わせて加工(穴開け・切断・バリ取りなど)され、東北のさまざまな建築現場などに出荷されていきます。

 主に建築資材などに利用される鋼材は10メートルを超える長さのものもあり、それらの移動・加工には多くのヒトの手が必要そうですが……。

▲5,000トンの船舶が寄港できる岸壁。船からクレーンで下ろされた鋼材は天井クレーンやフォークリフトで工場内へ。下段のフォークリフトは最大荷重16トン!

▲主に建築に使われるコラム(角形鋼管)は業界2位の販売数。

 相馬工場では加工作業のほとんどが自動化されており、さらに鋼材の移動も広い構内で天井クレーンなどの機械設備を活用して行うため、働くヒトの作業負荷の大幅な軽減と省人化を実現しています。

 鋼材を加工する仕事というと、一般的に重労働で「3K」(きつい・汚い・危険)ともいわれる印象がありますが、相馬工場の作業の様子を見ていると、そのイメージも一新!

▲鉄骨造りの建物に用いられるH形鋼の加工ライン。ラインへの自動搬入から穴開け・切断はもちろんバリ取りの作業まで大部分の作業を自動化し、1~2名ほどの作業員で多くのお客さまから高く評価されている高品質・高精度な製品づくりを実現しています。ちなみに、アイ・テックのH形鋼のシェアは業界トップクラス。

▲鋼材の移動・積み込みなど「チカラ仕事」は天井クレーンが活躍。

 工場見学に参加した高校生のひとりが「仕事で大変なことは何ですか?」と尋ねると、工場を案内してくださった杉山 茂工場長は「昔はチカラ仕事が多かったので、重労働という意味で仕事も大変でした。しかし今は自動化が進み、チカラ仕事もほとんどなくなったので、そういう意味では大変なこともなくなって働きやすい環境だと思います」とのこと。

▲工場を案内してくださった杉山 茂工場長。

充実の福利厚生。2016年度以降、退職したヒトは 1 名のみ。

 「働きやすい」というその言葉は離職率の圧倒的な低さにも現れており、相馬工場では2018年の稼働開始に合わせて2016年度から高卒採用を続けているそうですが、今まで退職したヒトは1名のみ。しかもその理由が、仕事が“つらい”とか“嫌”になったわけではなく、「実家の仕事(漁師)を継がなければならなくなったため」だそう。

 会社の利益を社員に還元することをモットーとする同社では、

◇昇給率:3.03%

◇賞与:6.40ヵ月分

◇休日:年間120日

◇有給休暇:入社と同時に10日分付与(新入社員は仕事に慣れていないため有給休暇を有効に使いながら会社・仕事に慣れてほしいという考えから)

というように福利厚生も充実しており、そういった面も社員ひとりひとりの「働きやすい」環境づくりを支えています。

▲豊富な在庫量もアイ・テックの強み。相馬工場ではお客さまの多様なニーズにタイムリーに応えるため、H形鋼を中心に多様な鋼材をラインナップしており、在庫量は最大2万トン。種類の多さと規模は東北随一。

 ちなみに、相馬工場の建物の面積はおよそ140m×140mですが、北上工場はおよそ135m×250mとなり、相馬工場より大きい規模になるそう。導入される機械設備も進化しており、そうした機械設備が導入されることでさらに働きやすい環境になるとのこと。

 来年10月、北上市にどんな工場が誕生するのか、楽しみになりました!

▲アイ・テック北上工場の完成イメージ
▲アイ・テック北上工場の完成イメージ(エントランス)

いっしょに夢を叶えよう。来年10月、大きな夢が動き出す。

 さて、工場見学が終わって、最後に高校生のみなさんに挨拶したのが、「アイ・テック」の東北エリアを統括する大久保 裕之支店長です。

 大久保支店長も高卒で、営業の仕事で実績と信頼を積み重ね、現在の役職に。そんな大久保支店長が語ったのが仕事のやりがいです。

「私は新国立競技場の仕事にも携わりましたが、私たちの鋼材は地域のヒトが誰でも知っているような大きな建物を支え、一生残る仕事。それに携われるのが誇り」と力強く語りました。

 また、2018年に相馬工場ができるまで東北エリアに「アイ・テック」の工場はなかったため、「だからこそ!」という強い想いが大久保支店長にはあったそう。

「工場がなくても、東北のお客さまがわざわざアイ・テックの鋼材を選んで購入してくださったんです。その気持ちに報いたいと思って、ぜひ東北に工場をつくりたいという夢を持って実現したのが相馬工場です。

 そして今度は青森まで見据え、東北のたくさんのお客さまに鋼材を届けたいという夢を持ち、来年ついに完成するのが北上工場です。みなさん、夢を持って仕事をしましょう。夢は叶います。いっしょにがんばりましょう」

 大久保支店長のそんな熱い言葉でアイ・テック相馬工場の見学会は終了しました。

 来年10月、稼働開始する北上工場。第一期生のみなさんとともに、大きな夢が動き出します。

recruit:アイ・テック北上工場の高卒採用

 アイ・テック北上工場では、来年(2024年)3月卒業予定の高校生の採用を行っています。工場の稼働は来年10月からですが、入社された方はまず相馬工場など近隣の工場・支店で研修を受け、成長して地元に戻り、北上工場の第一期生として活躍してもらうことになるそう。

【募集職種】

◆鋼材の入出荷・加工

◆CAD/CAMオペレーター(データ入力等・入社後に研修)

◆一般事務

◆営業(盛岡出張所勤務)

※詳細は「高卒就職情報WEB提供サービス」の情報をご覧ください。

本社:静岡県静岡市清水区三保387-7(写真は相馬工場)

Tel/054-337-2000(代)

北上工場:岩手県北上市和賀町後藤2-114-40(2024年10月稼働開始予定)

2023-08-08|
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