自ら企画したマルシェで実感。“好き”からひろがる可能性にワクワク!
「NECONOTE (ねこのて)」プロジェクトが見つめる未来。
それぞれのヒトが自分の“好き”なことを通して交流を育み、つながりを深めることでコミュニティが活発になるのがマルシェの魅力……。
そう語るのは、北上市内で無農薬・無化学肥料の野菜を100種類以上も育てる農家「やさいやねこのて」の星 隼人さんです。
飲食店の方でも知らないような珍しい野菜や西洋の野菜でも気になるものはタネから取り寄せて育てるという星さんは、そうした野菜を飲食店に紹介する際は必ず事前に自分で調理し、その味わいや調理の仕方などを試すそう。
「試行錯誤しながら、いろんなおいしい野菜をつくることが楽しい」と語る星さんにとって、“野菜づくり”とは野菜を育てることはもちろん、消費者の口に届いておいしく食べてもらうまで、自分にできることはなんでも楽しみながら挑戦してみることでした。
そんな星さんがマルシェの魅力に出会ったのは、北上市で毎年秋に開催される「町分マルシェ」に参加したとき。そして、その可能性をさらに強く実感したのが、自ら主宰する「ノラマルシェ」を通してのさまざまな出会いから。
3年ほど前から2カ月に1度のペースで開催している「ノラマルシェ」は、現在まで15回開催。出店者は農家さんをはじめ、クラフト作家さん、料理教室やワークショップの開催などでかかわってくださった方など、これまでで20組を超えるそう。
「ノラマルシェは、もともとオーガニックな野菜は売り先がなくて、だったら自分で売る場をつくろうと思ってはじめたのがきっかけです。
でも、いざはじめてみると、マルシェの魅力はモノを売ることだけじゃないんですよ。出店してくれたヒトたちが自分の“好き”なことを通して消費者と直接コミュニケーションを取れたり、出店者同士のつながりもできたりして、そうやってコミュニティがひろがり、活発になるというところがすごく面白いんですよね。
私自身でいえば、ノラマルシェで生まれたつながりから秋田のイベントに参加したり、逆に北上にも来てもらったり……。今取り組んでいるヴィーガン料理もノラマルシェでのヒトとの出会いがきっかけなんです」(星さん)
そうやって自分の“好き”なことを通して可能性がひろがっていくことにワクワクしている星さんは、マルシェという空間が生み出すポジティブなつながりの連鎖が地域の活性化にもつながると確信。
しかも、これを不定期で行うようなイベントではなく、「そこに行けば毎日体験できるように、日常の風景のなかに落とし込めたら面白いんじゃないか!」と考えた星さんは、自らも夢中になっている“料理”をキーワードにいろんなヒトが集まれる場をつくろうとさっそく動き出します。が、肝心の場所が……。
その問題を解決してくれたのも、“好き”からつながったヒトとの出会いでした。
マチナカをもっと楽しい場所に。市役所の仕事と二足の草鞋でサポート。
大学進学を機に地元を離れていた高橋典男さんが北上市に戻ってきたのは3年ほど前。故郷の街がにぎわいを失い、寂しくなっていくことに危機感を抱いてUターンした高橋さんは、現在、北上市役所に勤務しながらプライベートでも有志と集まり、マチナカを盛り上げようとさまざまな活動を展開しています。
そんな高橋さんが星さんと出会ったのは、今年の1月。その第一印象は……。
「このヒトは変わっているというか、変態だなと(笑)
農家さんが店をやるというと、ふつうに考えたら野菜を販売するとか、飲食店を開くと思うんです。でも、星さんはシェアキッチンをやりたいと……。自分でやるならまだしも、それをヒトに貸したいと聞いて、最初は『なんで?』と思いました(笑)」(高橋さん)
しかし、星さんと会話を重ねるうちに……。
「星さんはなんでもやっちゃうヒトなんですよ。自分でマルシェもやっちゃうし、料理もつくっちゃうし、小屋も2軒建てちゃうし、軽トラでモバイルハウスもつくっちゃう。
とにかくいろいろやっちゃうので、周りからも変態農家と言われているぐらいなんですが(笑)、実行に移せるってすごいと思うんです。
思ってはいても、実行に移せるヒトってなかなかいないじゃないですか。でも、星さんは行動を起こせるヒトなんです。だからこそ、このヒトはちょっと変わったことを考えているけど本気なんだと思いました(笑)
それに、岩手県にもシェアキッチンの取り組みはありますが、生産者さんがオーナーとなってそれをやるというのも珍しいし、面白いと思ったんです。特に星さんの場合は、自分でマルシェも定期的に開催していて、お客さんのニーズを知っているし、出店者さんとのつながりもあります。
ですから、シェアキッチンをオープンしても、それを利用したいという仲間がいるし、それに新しくシェアキッチンを利用するヒトたちが加わって、例えば『あの料理が食べたいから行くお店』ではなくて、『今日はあのヒトがキッチンに立つから行ってみよう』というお店になったら、他とは違う魅力にもなって面白いと思ったんです」(高橋さん)
“モノ”から“ヒト”が主役のお店へ……。そのイメージは、星さんの想いとも重なります。
コロナに負けず夢の実現へ。クラウドファンディングに挑戦!
マルシェには、「生産者と消費者の距離を近づける」という魅力もあると星さんは語ります。
つまり、今回のシェアキッチン・シェアスペース「NECONOTE」での取り組みでは、生産者と消費者の距離を近づけ、生産者の顔が立ち上がってくることで、その人柄も含めてモノに愛着が持てるマルシェの魅力を、不定期のイベントでは終わらせず毎日体験できるようにしたいということ。
“モノ”から“ヒト”が主役のお店へ……。“好き”を通して生産者さんと消費者さんがつながり、料理するヒトとお客さまがつながり、そうした“ヒト”とのつながりを通して、コミュニティがひろがるマルシェのような空間へ……。
そんな星さんの想いに高橋さんも共鳴し、また高橋さんと出会ったことで、場所探しに困っていた星さんの問題も、高橋さんのおばあちゃんが所有している賃貸物件を活用することでクリアに。
さらに言えば、その物件は飲食店 兼 住居として利用できるもので、20年前まではスナックだったそう。その後、お店は閉店しますが住居としては利用され、しかしそれも3年前に住む方がいなくなり、以来ずっと空き家となっていたもの。
子どもの頃はおばあちゃんが歌うカラオケを聞きながら育ったという高橋さんは、思い出の場所が誰にも使われずにいることに寂しさを感じていたそう。その場所にまたにぎわいが戻ることは、高橋さんや高橋さんのおばあちゃんにとってもうれしいことでした。
そうやって“好き”からはじまった「NECONOTE」は、“ヒト”とつながり、課題を乗り越え、さまざまなヒトの想いが集まってプロジェクトが一気に動き出すかに見えた矢先に、しかしコロナが発生。
オープンを延期する道もありましたが、「やりたいと思ったら挑戦してみる」ことがモットーの星さんは、「こんなときだからこそ!」と奮起。
そして、そういう行動力にも信頼を寄せる高橋さんも市役所の仕事と二足の草鞋を履きながら、星さんの夢のサポートに奔走し、今回の「いしわりクラウドファンディング」への挑戦となりました。
クラウドファンディングの目標金額100万円は、キッチンのグレードアップに活用。それ以外の必要なモノは知人から譲り受けたり、内装も星さんが自作したりしてコストを抑えるとのこと。
11月23日(月・祝)のオープンに先駆けて、シェアキッチン・シェアスペース「NECONOTE」の雰囲気を少しでも味わっていただこうと、10月3日(土)には同店舗にて「ノラマルシェ」も開催!
ご興味のある方は、ぜひ「NECONOTE」へ。そして、“好き”を通してヒトがつながり、コミュニティがひろがり、そこから生まれるいろんな可能性にワクワクしている2人の夢の実現に、ぜひ“猫の手”を……。
◇「NECONOTE」オープン! 詳細は、こちら!
◇プロジェクトを応援! いしわりクラウドファンディングページは、こちら!
⇒ 「your kitchen, your space NECONOTE 」プロジェクト
◇10月3日(土)、「NECONOTE」にて「ノラマルシェ」開催! その他、最新情報は、こちら!
(了)
your kitchen, your space NECONOTE
岩手県北上市新穀町1-8-4
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