3Dでひろがる
最先端のものづくりを体感!
3Dの可能性に子どもたちもワクワク!
デジタル技術を活用して、業務の効率化や新しいビジネスモデルを創出することで企業の強みを生み出し、競争力を高める「DX化」がさまざまな分野で進んでいます。それは、ものづくりの分野にも……。今回は、そんなものづくりの世界を体感!
東北有数の産業集積都市として知られる北上市には、クルマ、スマホ、家電製品、医療・福祉、食品など毎日の暮らしに欠かせない製品や、毎日の暮らしを豊かにするモノをつくる工場がたくさんあります。その魅力を地元の子どもたちに体感してもらおうと、北上市が冬休みと夏休みに実施している小学生対象「工場見学・体験ツアー」が1月8日に開催されました。
同ツアーは、毎回募集開始とともにすぐ定員が埋まるほど好評。人気の秘密は、見学を受け入れる企業が子どもたちに楽しんでもらえるアレコレを準備している点です。今回は最先端の3Dデジタル技術がひろげるものづくりの可能性に、子どもたちもワクワク!
いわてデジタルエンジニア育成センター(Iwate-DE)

3Dプリンタも欲しくなる!?
3D CADを使って
楽しくものづくり体験。
最初に訪れたのは、最先端の3Dデジタル技術を通して、企業のものづくりを応援する「いわてデジタルエンジニア育成センター(Iwate-DE)」です。
Iwate-DEには3Dデジタル技術の専門家が4人常駐しており、3Dデジタル技術に関する多様な講習やセミナーの開催など人“財”育成はもちろん、企業のさまざまなお悩みにも幅広く柔軟に対応しています。
今回はIwate-DEの小原照記センター長の指導のもと、3D CADを使ったものづくりを体験しました。1人1台用意されたパソコンを前にして、何がはじまるのかワクワクしている子どもたちに、まずは3D CADについての簡単な説明が行われました。

3D CADとは、従来まで紙(平面)に2D(2次元)で書かれていた設計図を、専用ソフトを使ってパソコンの画面上に3D(3次元)化することで、設計業務の正確性を高め、業務の効率化やコスト削減も実現。さらに、多様な分野でDX化が進む近年は、ものづくりのDX化を推進する基盤技術としても注目を集めています。

今回は、その3D CADを使ったものづくりを子どもたちが実際に体験するわけですが、作業をはじめるにあたって、最初に見せられたのが2Dの設計図……。

しかし、その設計図を見ても子どもたちは何をつくるのかイメージできず、ちんぷんかんぷんの様子。実際のものづくりの現場では、こうした2Dの設計図をもとに製品がつくられていると知り、子どもたちも驚いていました。この設計図からどんな製品ができあがるのか……。さっそく3D CADを使ったものづくり体験がスタート!

何ができる? 好奇心がカチカチ動き出す。
3D CADはマウスを動かしながらパソコンの画面上で作業を行いますが、子どもたちはマウス操作も慣れた様子でサクサク作業を進めます。2Dの四角い輪郭線(プロファイル)からスタートし、厚み(押し出し)を出したり、回転させて立体化させたり、寸法を設定したり、断面をカットしたり、画面上の製品をくるくる回していろいろな角度から見てみたり、上から見ると丸いと思っていたものが横から見ると円錐だったり……。わからないことは専門家にすぐ聞けるため、子どもたちは専門家の説明や友達との教え合いに一喜一憂し、3D(3次元)の便利さを実感しながら設計図をカタチにしていく工程に夢中になっていました。


休憩をはさみ、90分ほどで製品の3Dデータは完成しましたが、子どもたちはまだ何ができたかピンと来ていない様子。本来ならこの後、子どもたちが3D CADでつくったデータ(設計図)をもとに3Dプリンタで造形していきます。しかし今回は時間がないため、事前に3Dプリンタで造形した完成品が登場。しかも、カプセルトイに入って目の前に現れたため、子どもたちも大喜びでした。

子どもたちがワクワクしながらカプセルトイから取り出した完成品は不思議な形状をしており、その2つを合体させると、正方形のボックスになる仕掛けになっていると知ってびっくり! 子どもたちは友達の完成品と合体させて遊んだりしていました。2つの完成品があまりにもキレイにハマって正方形のボックスになるため、「ピタッと合って気持ちいい」といった声も聞かれましたが、3D CADではパソコンの画面上で2つの完成品を合体させると正方形のボックスになる様子を事前にシミュレーションできると知って、その便利さにさらに驚いていました。

3Dで「つくる!」ワクワクをひろげる子どもたち。
3D CADを使ったものづくり体験を終えて、最後に質問はないかと尋ねると「模様をつけたりできないんですか?」との声が……。「今回は時間の都合で説明できませんでしたが……」と小原センター長が模様のつけ方を簡単に紹介しようとすると、さっそく「できた!」という声が聞こえるなど、3D CADに夢中になった子どもたちは自分で積極的にマウスを動かしながら、その他の機能についてもアレコレ試していました。


子どもたちの好奇心を刺激した3D CADを使ったものづくり体験は、子どもたちが3D CADでつくった製品と同じものを3Dプリンタで造形している様子や、3Dプリンタで造形した多種多様な製品を見学して終了となりました。さまざまなモノが3Dプリンタでつくれると知って、「お父さんに3Dプリンタを買ってもらおう!」という声も聞かれるなど、子どもたちは大満足の様子でした。

2つの製品を合体させると正方形のボックスになる仕掛けを目の当たりにして、「実用性はないけど面白い!」と言った子どももいました。この製品は手軽に3D CADの魅力を知ってもらうために小原センター長が考案したオリジナル製品のため、確かに世の中には他になく、実用性はありません。しかし、子どもたちは午後の工場見学で、同じ仕掛けでつくった製品が実際に活躍している様子を目の当たりにすることに……。午後の工場見学も、乞うご期待!

◇いわてデジタルエンジニア育成センター(Iwate-DE)の詳細は公式HPへ!
https://iwate-de.jp/
株式会社アイ・テック 北上D・M・C

国立競技場の鋼材も供給。
自慢の「加工力」で選ばれる
ものづくりを体感!
午後に訪れたのは「株式会社アイ・テック 北上D・M・C」です。同社は静岡県静岡市に本社があり、「鉄=鋼材」を鉄鋼メーカーから仕入れ、全国3,000社に安定供給している鉄鋼商社です。「北上D・M・C」は、そんな同社の東北最大級の生産拠点として2024年11月に誕生しました。

稼働して2年目のキレイな新工場で行われた工場見学は、会社説明からスタート。「産業の米」とも言われる「鉄」は、ホッチキスの芯や公園のブランコから川に架かる橋や大空に向かってそびえ建つビルまで、さまざまな分野で活用され、私たちの暮らしを支えています。

鉄鋼商社として「鉄=鋼材」を扱う同社では、ショッピングモールやアミューズメントパーク、工場や駅、空港などの大型施設の建設工事にも鋼材を供給しており、国立競技場や大阪・関西万博など誰もが知っているような施設の建設工事にも多く携わっているそう。
また、働く環境においては、「鉄=鋼材」を扱う仕事というと一般的には「3K」(きつい・汚い・危険)と言われ、重労働のイメージがあります。しかし、会社説明で流された動画では鋼材の移動も広い構内で天井クレーンなどの機械設備を活用。さらに鋼材の切断・加工なども自動化され、働くヒトの作業負荷の大幅な軽減と省人化を実現している様子が紹介されました。

実際に工場内に足を踏み入れると、縦250m×横135mの広大な敷地にもかかわらず、人陰はほとんど見当たりません。北上D・M・Cが扱う鋼材は月間4,000トンだそうですが、それをわずか24名でまかなっていると知り、子どもたちも働くヒトの少なさにびっくりしていました。


複雑な加工もお任せ。3Dレーザー加工機にびっくり。
同社の強みは鋼材を供給するだけでなく、お客さまの多様なニーズに合わせて穴あけ・切断・曲げといった加工に柔軟に対応できる点だそう。工場見学では、その様子を見学できました。

最初に見学した3Dレーザー加工機は自動化されたラインに鋼材を流せば、自動で複雑な形状も自在に加工してくれるという最新の機械です。こちらも3D CADでつくったデータをもとに製品を加工しており、実際にどのような加工ができるのか、サンプルも見せていただきました。
しかも、その中にはIwate-DEで子どもたちが3D CADを使ってつくった製品と同じ仕掛けのものがあり、それに気づいた子どもたちから喜びの声が! 3D CADを使って設計図をつくり、実際に製品化されるリアルな工程を、午前と午後を通して体験できて、子どもたちも興奮していました。



鉄板の曲げ加工もキレイに。思わず「欲しい!」
続いて、レーザー加工機で鉄板を切断するだけでなく、「曲げ」の加工もできる機械を見学。こちらも自動化されていますが、曲げ加工の最後の調節の部分は人間の手で行う必要があり、現場の方が作業する様子を見学できました。アイ・テックは全国に12の工場があるそうですが、曲げ加工まで行えるのはこの北上D・M・Cだけだそう。

今回は鉄板を折り曲げ、スクエアのボックスをつくる作業を見学できましたが、ギフトボックスのように蓋もぴったりと収まり、子どもたちもびっくり。完成品を実際に手で触ることもでき、キレイな仕上がりに「これ、欲しい!」という声も。曲げの加工には他にもさまざまな種類があると知り、子どもたちも興味津々でした。

アイ・テック 北上D・M・Cの工場見学は、こうして終了となりました。北上D・M・Cでは機械化や自動化とともに3Dレーザー加工機など3Dデジタル技術の活用により、業務の効率化や省人化を進めながら自社の強みである「加工力」に磨きをかけ、他社にはできない選ばれるものづくりを行っていました。
デジタル技術を活用して業務の効率化や新しいビジネスモデルを創出することで企業の強みを生み出し、競争力を高める「DX化」が注目を集めており、ものづくりの分野でも「DX化」は進んでいます。子どもたちは午前中、Iwate-DEで3D CADを使った設計図づくりの体験と3Dプリンタによるものづくりを見学。その便利さも実感しており、午前と午後で3Dデジタル技術がひろげるものづくりの可能性を体感し、最後の記念撮影まで笑顔であふれていました。



◇株式会社アイ・テックの詳細は公式HPへ!
https://www.itec-c.co.jp
北上市内の小学4~6年生15名が参加した地元の企業をめぐる「工場見学・体験ツアー」は、こうして無事終了となりました。最先端の3Dデジタル技術がひろげるものづくりの可能性、子どもたちは何を感じたでしょう。「工場見学・体験ツアー」は次回、夏休みに行う予定です。今度はどんな企業を見学できるでしょうか。お楽しみに!
バックナンバー(過去の様子)
2025年8月の「工場見学・体験ツアー」の様子はこちら!
https://kitakami-shigotonin.com/news-event/f-tour2508/

2025年1月の「工場見学・体験ツアー」の様子はこちら!
https://kitakami-shigotonin.com/news-event/f-tour2501/

2024年8月の「工場見学・体験ツアー」の様子はこちら!
https://kitakami-shigotonin.com/news-event/f-tour2408/

2024年1月の「工場見学・体験ツアー」の様子はこちら!
https://kitakami-shigotonin.com/news-event/f-tour2401/

(了)







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