国境の長いトンネルを抜けるとそこは雪国だった……。
文豪・川端康成の名作『雪国』は、そんな一文からはじまります。真っ暗闇から真っ白な世界へ。コントラストも鮮やかで、美しい情景が目に浮かびます。そんな感動的(?)な瞬間に出会えるとは……。
しかし、カレンダーの日付は10月23日。北上市も肌寒い日が続いているとはいえ、まだ秋です。しかも、この日の北上市内は青空が顔をのぞかせており、日射しもあったか。天気予報では最高気温も12℃!(*´艸`*)
というわけで、そんな 感動的(?)な 出会いがあるとも知らず、「紅葉見物するなら、この日を逃してなるものか」と一念発起し、向かった先は夏油高原スキー場。10月24日(日)までゴンドラも運行しており、「山の頂から眺める夏油高原の紅葉はさぞかし見事であろう」と妄想を膨らませて、北上市内から30分ほどクルマを走らせたわけですが……。
そうなのです。夏油高原スキー場のふもとにあるトンネルを抜けるまでは順調でした。しかし、トンネルを抜けると雨がポツポツと降り出し、夏油高原スキー場にたどり着いたときには……

あいにくの雨。山の頂も霞(雲?)に覆われて見えず……。

それでもゴンドラは運行しており、「せっかくだから」とゴンドラ乗り場へ……。

ゴンドラ乗り場では、防寒具をしっかり着込んだかわいいキャラクターたちがお出迎え。一方、こちらは長袖Tシャツ2枚にGジャン姿……。
今思えば、このとき気づくべきでした_| ̄|○ まさか山の頂が、あんなことになっているとは……。

いざ、ゴンドラに乗り、出発!

前のゴンドラには家族連れの姿。筆者だけじゃない! 仲間がいて良かった(*´艸`*)
山頂には展望台があるので、「まあ、雨だけど、なんか見られるだろう!」とこのときは楽観的。

しかし、動き出したゴンドラが雨の中に突入していくと、再び不安がむくむく。

でも「まあ、傘持っているからいいか!」と、このときもまだ楽観的!


「晴れていたらキレイだったろうな……」
雨の雫に濡れるゴンドラの窓を眺めながら、悔しがる筆者……。

あれ、雪?
ふと目を凝らせば、葉っぱの上に白いものが……。

茶色だったゲレンデも、気づけば真っ白に!

冷え込みも一気に強まったような……。薄衣だったことを後悔する筆者。しかも、念のために持ってきたパーカーはクルマのなか_| ̄|○


あたふたしている間にゴンドラは山頂へ。

こちらの不安を知ってか知らずか、かわいいキャラクターたちがこちらでもお出迎え。ほんわかしたかわいいイラストに、「さっきの風景も夢では?」 と一瞬思う筆者。しかし……。

ゴンドラを降りるとそこは……、本当に雪国だった。
というわけで、ここでようやく川端康成の『雪国』の世界へ。
山頂のゴンドラ乗り場。ゲレンデへと通じる通路のその先は……。

10月23日(土)。ゴンドラを降りて長い通路を抜けると、そこは雪国だった……。
そうなのです。夏油高原スキー場の山頂は、吹雪いていました。
(マジかよ)
ゴンドラ乗り場のスタッフさんに聞いたら、これは初雪ではなく、すでにちょこちょこ雪は降っているそうで、「今日は少し多いかな」と涼しい顔(*´艸`*)

ゴンドラもこんな感じ。

ほんの数分ゴンドラに乗っていただけなのに、あたり一面、足元も真っ白に。

でも、かわいい雪ダルマを見つけて、ちょっとほっこり(*´艸`*)

「そうだ、展望台に行かなければ! 今しか見えない景色があるはず!」と急に使命感にかられた筆者は、さっきの家族連れもすぐ撤収するなか、ツルツルすべるスニーカーに悪戦苦闘しながら展望台へ。


なんとかたどり着いて、展望台にのぼってみれば……。


岩手山も見えず……。

「たぶん、こっちだよな」という感じで眺めた北上市内の方角も何も見えず、「真っ白な秋の景色を堪能」して、すごすごと撤収しました、とさ<(_ _)>

しかし、ここでまた急に不安に。
「まさか、ゴンドラで降りたら下界も雪? 今日、冬タイヤじゃないぞ! 帰れるのか?」と焦り出す筆者。四方八方、これだけ何も見えないと……。

というわけで、急いでゴンドラに乗り、下界へ。相変わらず、外は真っ白な世界。

しばらく何も見えませんでしたが、それでも少しずつ色が姿を現わし……

やがて見慣れた建物や、山の稜線が浮かびあがり……、

その姿がくっきりした輪郭を現わすとホッと安堵(*´艸`*) 「良かった、雪が降ってなくて(笑)」


ゴンドラを降ると、下の世界は雨がやんでいる模様。雲の切れ間からはうっすらと日射しも。

しかし、山の頂の方に目を向ければ……。


ひと足早く、冬の訪れにドキドキした1日でした。今シーズンも豪雪だな!(*´艸`*)

ひと安心したせいか、より一層、紅葉もキレイに見えてちょっと得した気分(*´艸`*)
真っ白な世界を通ってゴンドラを降ると、そこは秋だった……。川端さん、いかがえしょう? イマイチか<(_ _)>


一方、視線を北上市内の方に向ければ、深呼吸したくなるような青空(*´艸`*)



素晴らしい景色を堪能してあったかい建物の中に入ると、急に空腹に……。

というわけで、寒い日はこれ! とばかりにこの日のランチは「辛辛味噌ラーメン」を食べて一気に汗が出るほど体温も急上昇(*´艸`*)

お腹も満腹で下山したのでした<(_ _)>


夏油高原スキー場から、紅葉散策しながらマチナカへ。
それでは、氷点下ぐらいの寒さ(体感)だった夏油高原スキー場から気温12℃の北上市内へ、クルマで30分ほどのドライブ。10月23日(土)の秋の風景を眺めながら、のんびり帰ってみましょう!

入畑ダム
夏油高原スキー場の手前にある入畑ダム。4月から11月にかけては、SUP体験も楽しめます!






入畑ダム展望広場
1991(平成3)年に完成した入畑ダムは堤高80m、堤頭の長さ233mあり、同広場では標高430mの展望台広場をはじめ、上から横から迫力満点のダムの魅力を堪能できます。









えづりこ古墳公園
国指定史跡・江釣子古墳群の入り口にある公園。北上市にゆかりの深い遺跡などを紹介する5種のモニュメントや、木立の中で古墳散策が楽しめる古墳ゾーンなどもあり、公園でのんびり過ごしながら北上市の歴史と文化にも触れられる憩いのスポットです。


詩歌の森公園
北上市のマチナカにある公園。周辺には北上市立図書館や、日本全国の詩歌資料を収集する日本現代詩歌文学館があり、天気の良い日は家族連れや子どもたちが多く訪れ、のんびり過ごすなど市民の憩いの場に。



以上。10月23日(土)の北上市。吹雪の夏油高原スキー場から、最高気温12℃、ポカポカあったかなマチナカへ。 秋の風景 をめぐる散策でした。長々とお付き合いいただき、ありがとうございました<(_ _)>
(了)
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